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2008-07-08 00:00
過激発言つづくのは、「加藤の変」か?
杉浦正章
政治評論家」
ここに来て自民党元幹事長・加藤紘一の元首相・小泉純一郎と前首相・安倍晋三に対する批判発言がボルテージを上げている。加藤と言えば、自民党きっての論客で、バランスのとれた見方をする数少ない政治家の一人だが、その舌鋒の“切れ”がよすぎるのである。明らかに理論構築した上で、歯に衣を着せずに攻撃を展開しているのだ。狙いは何か。おそらく首相・福田康夫に内閣改造人事で路線転換を促そうというところにあるのだろう。
サミットの影で目立たないが、民放番組などでの発言を総合すると、まず加藤は、北朝鮮政策をめぐって強硬派の安倍と対話重視派の元幹事長・山崎拓の論争で盟友の山崎擁護に回った。加藤は山崎を「利権議員」とした安倍発言に対して、「許せない。安倍は昨年の参院選の大敗や前代未聞の首相の辞め方などからいっても、こういう論議に参加するより、3年は地元で選挙民と対話して充電すべきだ」と批判した。安倍は謹慎して、3年間地元に帰って「ぞうきん掛け」でもしていろというのである。加えて加藤は7日、当時の官房長官・安倍が関与して拉致被害者5人を北朝鮮に戻さない決定をしたことについて、「その辺が今、日朝の間で打開できない理由だと思う」とまで強調した。拉致被害者を北に戻した方がよかった、というのだからドラスチックだ。
さらに6日の講演では、「小泉・竹中路線で自民党の評判が悪くなって、福田さんがかぶっている。政策を変える、という意味でも内閣改造をすべきだ」と述べた。加藤は福田に対して、脱小泉・竹中路線で政治哲学をクリアに打ち出し、消費税などに取り組む路線を確立するよう促しているように見える。加藤の批判は、小泉内閣時代に自民党内や官庁を抵抗勢力として退け、官邸主導の政治を行う上で、理論武装の中核となった経済財政諮問会議批判にまで及んだ。「小泉・安倍時代からの経済財政諮問会議メンバーを一掃すべきだ」「諮問会議でワーキングプアを作った経済学者がいまだに存在する。これが秋葉原で殺傷事件を起こす人間を作った」とまで言い切った。
まさに「加藤の乱」とまではいかないが「加藤の変」とも言うべき過激発言の連発である。この加藤の小泉・安倍に対する連続パンチに、小泉と安倍がどう答えるかが注目されるところだ。加藤の発言を党役員・内閣改造人事で自らをアピールしているという、うがった見方が出てきているが、皮相的だ。加藤はそこまで読んで発言をしないタイプだ。思惑よりも弁舌先行型だ。だから論客たり得ている。人事上の思惑があるのなら、別の言い方をするだろう。福田に対して小泉・安倍の政治路線の転換を本気で訴えているのだろう。
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