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2008-05-08 00:00
「安心」「安全」「安価」「安定」の農業を
岩國哲人
衆議院議員
農家は農政に「不信」、後継者は「不足」、外国は日本の開放姿勢に「不満」、そして消費者は外国の食物の質など諸々の「不安」を持っている。農業を取りまく「不信」「不足」「不満」「不安」の声の中で、国会でも、農村地域を抱える地方都市の議会でも、農業再生の為の真剣な議論が交わされている。これからの農業はどうあるべきか。今こそ各界各層の人たちが、その立場や地位に拘らず、もっと本音で、そして新しい発想を掲げて語るべき時だ。
まずは、農地の所有と経営の分離を大胆に進めるべきだろう。農地があっても耕作できない「後期高齢者」と、意欲がありながらも十分な農地がない「青壮年農業者」との、このギャップを早急に埋めるのだ。その為には、ゼロ・クーポン「農地国債」もしくは「政府紙幣」発行で農地を購入し、県や市に管理を委託する。そしてその公有農地は、平地を中心とする「生産農地」と中山間地の「環境保全農地」に区分し、生産農家には自力で競争に勝てるような「生産農力」の向上を求め、所得の面で不利な中山間地には生産農地の借地料収入を財源とした環境保全型所得補填を実施する。「生産農家」と「環境農家」の選択、選別を早急に行い、その選択の過程で後継者確保の可能性も出てくるだろう。
フランスでも、イギリスでも、国の隅々まで土地は耕され、緑の農村地帯が広がっている。それは教会、郵便局、小学校の3点セットを守ってきたからだそうだ。ドイツでは、集落単位で「我が村を美しく」と、その美しさを競い合うコンクールが実施されている。「美しい農村を文化的遺産として残す」為に農村の整備が進められた結果、農村環境は素晴らしいものになり、人々は農村に愛着を持ち、都会からも農村の自然環境を求めて人が集まってくる、という構図ができ上がっている。
これからの農業には、後継者もできて、「安心」して農業に取り組めるような農政を期待したい。消費者にも配慮した施策と、間接的な自給体制も選択肢に含め、国内自給に拘らない国際的視野に立った自給体制の確立が、農家、消費者の共通した願いである。農産物の海外生産についても、日本は農地が狭いというのであれば、日本の持っている農業技術と資金を提供し、そうしたものを海外の国との協力拡大を図るべきである。最近、ニュージーランドと岩手県が、南半球と北半球それぞれの時期を変えることによって、一つのブランドを共同で生産している、という話も聞いた。
私は、そうした日本のやる気のある農業青年たちが、東南アジアで、そして中国のどこかの地域と協定して、日本の農業技術で生産管理し、日本人が作っている農産物だから、日本人の作っている食品だから、より安心できるという協力体制も、お互いにメリットのある発想ではないかと思う。日本農業の新しい歴史の出発点に立って、「安心」「安全」「安価」「安定」の「四安」を目指した農業再構築を、今こそ「思案」すべき時だろう。
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