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2008-04-25 00:00
(連載)ODA削減は日本のためにならない(2)
湯下博之
杏林大学客員教授
国際社会では、国内社会とは異なり、政府もなければ警察もないので、国家間の力関係ややりとり、更にはイメージなどによって物事が決まったり、処理されることになり易い。国の存在感や影響力、発言力、その国が行う国際貢献への評価により、その国の主張が通り易くなったり、利益や安全が図られたりする面が多い。そして日本の場合、軍事面での存在感や国際貢献は限られており、エネルギー等の資源にも恵まれていないので、存在感を示し、国際貢献が評価され、存在感を保ち、国際関係において日本の利益を図る上で、最も効果的な道具がODAであることは、実績も示すところであり、また広く知られているとおりである。
全世界のGDP(国内総生産)の30%を占める米国は別格としても、欧州諸国は欧州連合(EU)全体で30%強である。それに対して、一国で10%前後を占める世界第二の経済大国日本としては、財政事情が苦しいとは言え、ODAについても英国、ドイツ、フランスに劣るというのでは、政府がなく、皆で協力して動かしていく国際社会にあって、応分の貢献をしていると評価されることにはならないであろう。しかも、21世紀になって、主要国がODAを増やし始めている状況の下で、日本だけがODAを減らすというのでは、日本のイメージ・ダウンは不可避であり、日本の国益にならないであろう。
財政事情が苦しいと言っても、ODA増額を実現するために必要な額は、予算全体から見れば十分捻出可能な額である。ODAの総額の問題を考えるに当たっては、日本及び日本国民の利益にとってのODAの意義を、もう一度考えてみる必要があると思う。(おわり)
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