ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2008-04-24 00:00
(連載)ODA削減は日本のためにならない(1)
湯下博之
杏林大学客員教授
経済協力開発機構(OECD)の開発援助委員会(DAC)の4月4日の発表によると、2007年の日本の政府開発援助(ODA)実績(暫定値、名目ベース)は、対前年比33.1%減少の76億9100万ドル、国別順位ではドイツ、フランスに抜かれ、3位から前年の米、英に次ぐ5位に下がったことが報ぜられた。国の経済規模に比べた援助の貢献度は、ODA実績額を国民総所得(GNI)で割った比率が、2006年の0.25%から0.17%に低下し、1964年以来の低水準となり、集計対象22か国中20位になったという。かつて1991年から2000年までの10年間に、世界第一位の援助国の地位を維持していた日本の急速かつ様変わりの後退ぶりは、驚くばかりである。
このような状況に対して、福田総理は自民党の山崎拓外交調査会長に、「(6月ごろ閣議決定する)『骨太の方針』を組む時に反転攻勢の足場を築かないといけない」と述べたと報ぜられた。しかし、他方で政府は、2011年度までに基礎的財政収支(プライマリー・バランス)を黒字化させるという「公約」を掲げている。これを達成するために、ODA予算を2007年度からの5年間、毎年2ないし4%ずつ削減する計画もある。町村官房長官が、記者会見で「今の段階で特定の項目だけを『(歳出削減の)例外だ』と決めるわけにはいかない」と述べたとも報ぜられた。
国際関係と国内関係の調整は、常にデリケートな問題であるが、ODAの額について考えるに当たっては、国内での予算の配分における他の項目との横並びの問題としてよりも、国際情勢の動向や、国際関係における日本の応分の役割及び日本の利害といったことに、十分な考慮を払うことが必要があると思う。(つづく)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム