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2008-04-23 00:00
(連載)虎の教え(1)
岩國哲人
衆議院議員
20世紀末に『動物たちのビジネス・ゼミナール』という本が徳間書店から出版され、私がその翻訳を監修した。原作者のランス・H・K・セクレタンはカナダの経済人。小さい頃は国際的な子役俳優で活躍したという多彩な経歴を持っている。英国、米国でも学び、マンパワー・リミテッド社の再建を引き受けた時には、10年間で100倍の大きさにした実績がある。40歳にして経営の第一線を退き、経済学教授、哲学者、作家、そして経営コンサルタントとしては、ベル電話会社、IBM、BP石油、マクドナルド、アメリカン・エキスプレスなど世界の大企業を顧客に持っていた。
産業革命の世紀に続く20世紀は、人口の爆発的急増と石油・領土を奪い合う「戦争の世紀」であった。科学と経済の発展が人類にもたらしたものは、豊かな人間性ではなく、それとは全く裏腹の、民族と民族、人と人が、1年後の食糧、5年後の資源、そして10年後の富を確保するための「憎悪と殺戮の世紀」であった。その代表的な悲劇がアウシュビッツであり、人間が人間を大量破壊したヒロシマ、ナガサキだった。すべての動物の中で、他の動物を殺すために武器を作り、組織を作るのは人間という名の最低の動物だけであることを、私たちは自らが被害国となって痛切に知らされた世紀でもあった。
そして、世紀末になって、もう一つの悲劇が近づいていることも知らされた。気候変化・地球崩壊である。人間という最低ランクの生物の貪欲な行動の積み重ねが、我々人類のためだけでなく、植物を含め、すべての生物のすみかである地球という一つしかない存在を破壊しつつある、という愚かさを知らされたのも、わずか10年前の世紀末のことだった。(つづく)
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