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2008-02-25 00:00
温暖化防止対策への官民協力を加速させよ
田島高志
東洋英和女学院大学大学院客員教授
地球温暖化による異常気象、それに伴う自然災害、食糧難、果ては社会不安などが世界各地で頻発している情況は、温暖化防止対策が正に人類の存亡に直接係わる緊急の課題であることを日々実感させるものである。日本は、戦後急速な経済発展を遂げたが故に、最も早く公害の恐ろしさを体験し、公害防止、環境保護の対策を最も早く開始し、官民の努力により環境技術を最も早く発達させた国である。それは、現在日本が持つ強みであり、世界に誇り得る成果でもある。
日本は、戦後軍事力を捨て、経済を通じて国を立て、その経済力をODAの形で世界の発展に還元する努力を続け、世界の尊敬と信頼を確保して来た。今や日本の経済はかつての力強さを失い、ODAは減少の一途を辿っているが、世界が直面している最も深刻な問題の一つである環境問題、特に温暖化防止対策に、日本は現在持てる強みである環境技術を十分活かして貢献するならば、引き続き世界の尊敬と信頼を確保できると思う。それには、環境技術を開発し、保有している企業の協力が不可欠であり、それによりもたらされる世界経済の持続的発展は企業自身の発展にとっても利益であろう。
その観点より、温暖化ガスの排出権取引の制度化について、日本の経済界がこれまで反対していた態度を、その導入に向けて方向転換する示唆を行った御手洗経団連会長の発言が、今月21日に報道されたことは極めて心強いことである。排出権取引は、排出権の公平な割り当てが困難という課題はあるが、日本だけが欧米に遅れを取らないように、その課題克服の決意を行うべき時期は迫っていると思う。これは、日本の環境技術を商業ベースで広く国際的に移転する道にも繋がるものであろう。
洞爺湖サミットを控えた日本は、福田総理が1月のダボス会議で「クールアース推進構想」で産業別・分野別の削減可能排出量を積み上げた国別総量目標を提案するなど、次第に核心に触れる努力を表明しつつある。企業側の協力を得て更に前進するためには、近く政府に設置予定と伝えられる環境問題に関する有識者会議の役割も重要であり、マスコミの報道も重要である。難問の多い温暖化防止対策に日本が十分な指導力を発揮できるかは、今後の世界での日本の地位にも大きな影響を与えるものと思う。
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