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2008-02-18 00:00
拉致された領土:北方四島
岩國哲人
衆議院議員
63年前の終戦の日、私は小学校3年生でした。父を失い、大阪の生家を焼かれ、私たち家族は疎開先の島根から大阪に帰ることができませんでした。島根で育ち、そして島根で学んだ私は、「島」という文字に特別な愛情を感じております。出雲神話の中の国引き神話に表れているように、そこには島に対する特別な思いがこめられています。日本には本州、四国、九州、北海道、沖縄の他に大・中・小合わせて7千の島があり、人の住んでいる島の数だけで340島。その島々がいま3つの脅威にさらされています。
第一に温暖化の危機。地球温暖化による海面上昇で、世界で一番初めに沈むと言われているのが南太平洋の島国ツバルですが、「ツバル現象」はいずれ日本の島を襲ってくるでしょう。それを防ぐには米国、ロシア、その他の経済大国に「温暖化防止多国籍軍」への参加を要請するべきです。
第二に、他国からの武力による占有の問題。北方諸島や竹島、尖閣諸島の所有権を明確にするか、共同利用権という構想で早期にそれらの島々が持つ貴重な漁業、鉱物資源、エネルギー資源の共同活用を実現するべきでしょう。
そして第三に離島現象。市場原理が強調される社会になればなるほど、離島の生活は苦しくなります。島は人が住むからこそ価値があり、日本の経済水域としての所有権主張の国際的裏付けとなります。
日本の国土面積は37万平方キロメートルですが、北海道、本州、四国、九州の四島の水域があるために、日本の領海・経済水域はその5倍の約200万平方キロ。それが沖縄、奄美、小笠原、佐渡島、隠岐島、五島列島などの離島の存在により日本の経済水域はさらに倍増して447万平方キロとなり、世界第7位の海洋資源国家となっています。ひとことで言えば、海が日本を5倍に、島が日本を2倍にしているのです。そして自衛隊や海上保安庁だけでなく、365日、24時間不眠不休で島々が国境線を守っていることも忘れてはなりません。
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