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2008-02-06 00:00
韓国の女子高校生からの手紙
岩國哲人
衆議院議員
前回(本欄1月21日付投稿435号)、韓国の釜山市にあるイザベル学園に講演を頼まれて、1300人の高校生に次のような話をしたことを紹介した。「日本は、アジアから、ヨーロッパから、そしてアメリカから、どんどん勉強することばかりやってきた、世界で一番まじめな高校生です。反対に教えることが全然できなくて、よそから学ぶことばっかり続けて、日本はまだ先生にはなれませんけれども、先生になる前にアジアの国のいい友達になろうと、今、一生懸命努力しているところです。(中略)韓国と日本と中国と、この地域のアジアにはたくさんの楽しみが皆さんを待っています。」
講演後間もなく、イザベル学園の三人の女子高生から感想文が届いた。「一番印象に残った部分は『夢を持ちなさい、そしてその夢に向かって進みなさい』ということだった。日本の過去と現在の姿についてもたくさん教えてくださった。我が国の人たちは日本についてあまりよくない先入観を持っていると思う。私もその一人だったけど、今日の岩國先生の講演を聞きながら、私の考えが間違いだと思った。ある部分だけをみて全体を評価して断定を下した自分についても、反省する時間になってよかった。近くとも遠い国の日本、これからはお互いに力を合わせて助け合って、グローバルな韓国と日本になって、近くとも遠い国ではなく、本当に近い国になれたらいいなと思う」。
二番目の生徒は次のように書いている。「私の印象に残ったのは、牛乳を飲む人よりも牛乳を届ける人の方が早く健康になるという『牛乳』の話だ。牛乳をもらう人間ではなくて、分けてあげる人間になること。すごく適切な比喩のようだ。それなら、今までの私はどんな人だったのか。誰かがくれるものだけをもらっていたのではないだろうか。私も大人になったら、なるべく牛乳を分けてあげる人になりたい。雨は土砂降りだったけど、その雨にそっくりそのまま濡れたかいがあった。今日の講義を通して私の生活に変化が起こる気がする」。
そして三人目の生徒の感想文。「日本についてあまりいい考えを持っていなかった私には、あの講義がいい気ではありませんでした。しかし、先生も私たちのために悪い天気なのにわざわざいらっしゃったという話と、講義を聞いている間なんとなく分かるようになった先生の優しさを感じて、『日本人』と言うだけで、その人に偏見を持つのはいけない、と思いました。また、先生に悪い気もしました。先生は、自分の三十年間の人生についてから話を始めました。職場を辞めて他の仕事をするのが大変なのに、ただ、二人の娘さんのため犠牲にした先生を見ながら、いきなり父の顔が浮かんで、心がジンとしました。 そして、少数の日本人の蛮行をすべて日本人に適用して、悪い目で見ていた自分を反省してみます」。
どの感想文もとっても素直で、私には宝物のように思えて嬉しかった。
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