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2008-02-01 00:00
(連載)エネルギー供給国としてのロシアの信頼性(2)
須藤繁
シンクタンク研究員
統一ロシアが掲げる主権民主主義を支持する関係者の発言には、エネルギーなど経済の戦略的な部門に対する国家の支配が含まれている。プーチン大統領の就任以来、政府は、政府の政策を支持するように民間エネルギー企業に迫った。それに反対した石油開発企業ユーコス社が、政府の強権発動によって解体されたのは、その好例である。
明らかなことは、ロシアがEU加盟を考えておらず、その点からは多元的外交を志向していることだろう。その点からはロシアは、対中・対日輸出などにより対欧州依存度を低下させようとするとの見方もある。しかしながら、地理的な近さと既存パイプラインの存在により、ロシアがエネルギー輸出市場としての欧州に依存し続けることは必然である。
ロシアの現在の経済成長は、EU向けの石油・ガスの輸出からの収益に大きく支えられている。これらの点から世界は今後一層相互依存関係を強める方向に動いて行くことは明確ではないか。したがって、求められることは、EU・ロシア間に安定的な意思疎通の手段を確保するために、相互関係の制度的な枠組みを再構築することである。このことは民主主義及び人権といった問題に関する両者の見解が大きく隔たっている現状からは、必ずしも容易なことではない。現実的なことは、まずEUは、ロシアがEU加盟を望んでいない以上、EU加盟申請国と同様の対応を期待するのは筋違いであることを認識して、相互安全保障確保に向けた議論の枠組みを再構築することであると考える。(おわり)
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