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2008-01-21 00:00
国家公務員と議員の接触は禁止すべきか
大河原良雄
グローバル・フォーラム代表世話人
1月9日付の朝日新聞朝刊は「国家公務員、議員と接触、原則禁止」と一面トップで大きな見出しを掲げ、福田首相の私的懇談会「公務員制度の総合的な改革に関する懇談会」の制度改革の答申内容を報じた。同紙によれば、答申原案は「議員内閣制の本家である英国の制度を意識して政と官との接触禁止を提唱したのが最大の特徴」とされている。
小泉政権当時「政治家の省庁との接触は原則、大臣、副大臣、政務官が対応」との提言が打ち出されたこともあるが、既得権益を奪われる族議員らの反発もあって、うやむやの裡に終わった経緯がある旨も報じられている。
嘗て公務員であった私の限られた経験からすれば、これまで各省庁では官房長が党及び国会との応接に当たっており、その下の国会班と称する組織が、日常の連絡及び対応に当たっている。然し、一般的な応対では議員側の専門的な問題意識に答えるには不充分で、特定の専門分野における事実関係なり、関連する内外の情報については、当該事案の担当局長及び課長クラスのより具体的な説明を求められる事例が多い。官側では事案の的確な理解を得る為、党及び国会側の要求に応じて積極的に説明を希望する場合も多いと言えるであろう。
今回の答申案では「原則として」との留保が付されている由であるが、実際の運用上「原則」にこだわって例外適用を求めることは難しいのではあるまいか。逆に原則は原則として、例外とする事案が一般化するようになったのでは何の為の「原則」かということになりはしないか。「政官癒着」という非難が俗耳に入り易い最近の風潮の下に、これを排除するという目的を以て導入される制度が、「羮に懲りて膾を吹く」という結果に終るようなことは、避けて欲しいものである。
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