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2007-12-05 00:00
大いに意義をもつ黒海地域との対話
木下博生
(財)日米平和・文化交流協会理事
去る11月21日にグローバル・フォーラムの主催で開催された第2回「日・黒海地域対話」に出席した。黒海周辺地域の12カ国で構成する黒海経済協力機構(BSEC)との対話シンポジウムで、数多くの人達が出席していた。「激動する世界における日本と黒海地域」をテーマに活発な意見交換が行われたが、正直言って、私は、今まで12カ国の中で、ロシア、トルコ、ギリシャ、ルーマニアの4カ国しか訪れたことがなく、黒海と言ってもイスタンブールに面するボスフォラス海峡しか知らないので、専ら勉強に終始する会議であった。
しかし、そういう会議であったからこそ、出席する意味があったと思う。この地域は「エネルギー回廊」とも言われるように、ロシアおよびカスピ海沿岸地域で生産される石油や天然ガスを西側へ搬出するルートを抑える極めて重要な地域である。また政治的にも、キリスト教圏とイスラム教圏の境界に位置するという不安定要素をかかえている。
会議で聞いていても、BSECが具体的に加盟国間でどのような経済面での協力をおこなっているのかは、あまりよく分らなかった。すでにEUに入っている国もあるし、トルコのような加盟候補国もある。ウクライナのように、東のロシアを向くか、西のヨーロッパを向くかで迷っている国もある。加盟国同士の経済協力の中身は、我が国にとってそれほど意味のあることではないかも知れない。だが、ロシアを除き、こういう国と個別に対話をするよりは、黒海地域全体として定期的な話し合いをするような仕組みができれば、討議する共通のテーマも出てくるであろうし、日本国内の関心も高まり、意義があるだろうと感じた次第である。
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