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2007-11-28 00:00
連載投稿(1)ソ連解体後の黒海経済協力機構の誕生
池尾愛子
早稲田大学教授
11月20-21日に、グローバル・フォーラム、黒海経済協力機構(BSEC、ビーセック)、駐日トルコ大使館、静岡県立大学の共催で、第2回「日・黒海地域対話:激動する世界における日本と黒海地域」が東京で開催された。来年2008年6月に国際経済協会(International Economic Association、IEA、本部パリ)の第15回世界大会が、トルコのイスタンブールで開催されることになっているので、21日の同対話に出席させていただくことにした。
BSECは、ソヴィエト連邦が解体された約半年後の1992年6月25日に、トルコ、ロシア、ウクライナ、アルメニア、ルーマニア、ブルガリア、アゼルバイジャン、グルジア、モルドバ、アルバニア、ギリシャの11カ国によって加盟国間の交流と調和を目指して結成された。2004年に、セルビア・モンテネグロが加わり、加盟国は現在の12になる。BSECは、黒海を取り囲む国々と、それらに隣接する国々から構成されている。しかし、3大陸にまたがり、「エネルギー回廊」と呼ばれる地域であることから、ヨーロッパ諸国、アメリカなどの域外諸国や、欧州連合(EU)欧州委員会等の諸機関がオブザーバー参加している。BSECは麻生前外相が「自由と繁栄の弧」を提唱した際に注目すべき地域としたことから察せられるように、日本はオブザーバー参加を申請中である。1994年3月に常設事務局がイスタンブールに設置され、1999年5月には憲章が発効して、BSECは地域経済協力機構としての形式を整えた。BSECウェブサイトが英語で開設されていることも印象的である(http://www.bsec-organization.org/)。
今回の対話には、黒海側パネリストとして、クリサンソポロス・BSEC事務総長、カルト・トルコ外務省経済局長、ゴンチャレンコ・ロシア連邦外務省経済協力局次長、キティポフ・ブルガリア外務省第一欧州局長のほか、ギリシャ、ウクライナ、アゼルバイジャン、セルビア、ルーマニア、グルジア、トルコの駐日大使、ヴァレイユ・駐日欧州委員会代表部参事官・政治経済部長が参加した。2007年は結成15周年にあたり、更なる協力に向けてBSEC関係者たちの意気込みが感じられたのは確かである。他方で、BSEC原加盟国のギリシャに続き、黒海沿岸諸国のブルガリアとルーマニアが1月にEUメンバーにもなり、トルコもEU加盟候補国であることから、資源重力も作用しているものの、微妙な西よりの空気の流れがあるように感じられた。そして、経済的・機能的協力を進めていくだけで、地域の安定性が確保できるかどうかについては、意見が分かれている。(つづく)
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