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2025-03-22 00:00
(連載2)2つの戦争は止まらないのか?
岡本 裕明
海外事業経営者
その後、ロシアに飛び、ロシア高官やプーチン氏と今回の下地交渉をしてきました。こう見るとウィットコフ氏の外交成果は1勝1敗1分け(ガザ第一ステップ〇、ガザ第二ステップ✕、ウクライナ△)の成績で、氏の外交努力による2つの戦争へのPauseボタンは現時点ではまだ評価しにくいところにあります。
アメリカが更にコトを複雑にしたのはアメリカによるフーシ派への直接攻撃。これは一時収まっていた紅海を航行する船へのフーシ派による攻撃が再開したことを受け、トランプ氏が攻撃を命じたものでこちらはアメリカ対フーシ派の戦いになっています。フーシ派はイスラエルの敵であるハマスと一蓮托生であることからイスラエルのガザ再侵攻はフーシ派を含むイスラム過激派に刺激を与えることになりかねません。
何故戦争が止まらないのでしょう?私の見解は「アメリカが一国でやろうとしている」ことにカギがあると思います。つまり本来であればウクライナ問題は欧州が全面的に仲裁なり停戦への下地作りをすべきですが、あまり機能したとは思えません。またロシアと一定の距離を置きながらも近い関係にある中国もダンマリです。一時はトルコも介入しようとしましたがエルドアン氏の声も聞こえなくなりました。イスラエルのガザ侵攻についてはイランの声がよく聞こえない中、イスラムの盟主は誰なのかという問題に差し掛かっているようにも見えます。スンニ、シーアの両派同士の緊張関係もあるのでしょう。つまり、世界は外交までばらばらになっているとも言えます。
一方、英国のスターマー首相は欧州の安定を願い、ウクライナ停戦後の安全保障プランを立てるべく欧州のNATO諸国やカナダ、オーストラリア、ニュージーランドなどが参加する会議を行い、次の会議も20日に予定されています。これはトランプ/プーチン会談がうまくいった場合を前提としています。仮にこれがうまくいかない場合には「圧力を強化してプーチンを交渉のテーブルに引き込む必要がある」(BBC)とスターマー氏は述べています。とりあえず30日間の部分停戦となりそうですが、どう取り込むか、これまた容易くなさそうです。いよいよトランプ氏の政治的手腕が機能するのか、しないのか、瀬戸際にあるように感じます。(おわり)
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