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2025-02-22 00:00
(連載1)日本の優良企業はお買い得
岡本 裕明
海外事業経営者
日立の時価総額が20兆円を超えたと報じられ、そこに日本企業の時価総額上位10社が羅列してあったので思わず、じーっと眺めてしまいました。皆さんは何社、思いつきますか?時価総額の多い順にトヨタ、三菱UFJ、ソニー、日立、リクルート、ファーストリテイリング、キーエンス、三井住友FG、任天堂、ソフトバンクグループです。業種から見ると自動車、一般製造、テック系が4つ、繊維1つを入れて製造業が半分、あとは金融3つ、サービス2社です。時価総額、つまり発行株式数x株価の額でトヨタが突出して約44兆円、三菱UFJ、ソニー、日立が20兆円グループ、リクルートから10位のソフトバンクGまでが15兆円前後グループの3つに分かれます。
では海外との比較です。アメリカ企業の時価総額に当てはめるとトヨタでランクが30位前後でセールスフォースやコカ・コーラと同列になります。20兆円クラスですと80位前後でボーイングとかスタバあたりのランクになります。15兆円クラスだと上位100位に入るかどうか、というレベルです。アメリカの株はバブルではないか、と称されるのはアメリカ企業へのプレミアムが大きすぎる点でありましょう。例えばテスラの株価収益率(PER)は174倍です。健全なPERが13-15倍程度とされる中でその10倍以上になっている、つまり理論値より10倍以上に株価が買い上げられているのは現在価値よりも将来価値への期待がそうさせるわけです。では日本の上位企業に将来価値のプレミアムはつかないのか、これが今日の最大のテーマであります。
上位10社のうち国際企業はどれでしょうか?答えは全部です。トヨタで85%、三菱UFJで60%、任天堂で80%、リクルートですら55%になっています。つまり少なくとも海外売上比率が大きく、海外市場で知名度や売り上げをあげられる企業が時価総額が大きくなる最低限の条件となります。80年代までなら国内市場だけでも大手を振って自慢できた日本企業がなぜ海外にシフトしなくていけなかったのでしょうか?
もちろん少子高齢化や人口減はあります。30年間もデフレで悩んだこともあるでしょう。ですが、企業目線で見れば需要の取り込みが第一義なのです。つまり日本がだめだから海外に行くではなく、わが社の商品やサービスを欲しいと思う外国人がいるからそこに積極的に売り込みに行く、この前向きの姿勢が業務に反映できたかどうかが決め手だったと思うのです。言い換えると縮む国内市場に対する消極的対策ではなく、海外市場からの引き合いがあるような魅力的なものを売っているということです。ソフトバンクGは海外での知名度の方がはるかに高くなりました。アメリカの経済ニュースでよく見かける日本企業の報道はまずはソフトバンク。他の会社は何かない限りまず参照にすらされないのです。(つづく)
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