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2025-01-09 00:00
(連載1)GDP世界第二位となっている中国本土経済の行方
真田 幸光
大学教員
世界経済を分析する上では、GDP世界第二位となっている中国本土経済の行方が注目される。その中国本土国内では、「実体経済は政府統計よりはるかに悪い。」と声が強まっており、それがインターネットメディアやソーシャルメディアで急速に拡散されているが、それをまた政府当局が削除しているとの見方まで出ている。
中国本土は昨年12月11日から2日間、習近平国家主席の主宰による、2025年の成長率目標や経済政策の方向性を決める中央経済工作会議が開催された。それを前にして中国本土経済に対する悲観論が拡散するのを防ぐ狙いがあったものと見られている。海外のソーシャルメディアに掲載された講演原稿によれば、中国本土政府が緊張してもおかしくない内容となっている。国有金融機関である国投証券では、「この3年間で中国本土の経済成長率は毎年3ポイント、計10ポイントが過大評価されている。」との見方を示し、2023年に中国本土政府が発表した経済成長率は5.2%であったが、実際には2.2%程度であったとの見方を示している。
また、東北証券でも、「この2年間で配車アプリのドライバーが2,000万人増えた。中産階級の没落が本格化していることの表れである。」との指摘をしている。こうした見方の中では、2025年の中国本土の経済状況について、「活気溢れる老年層、意気消沈した若い世代、希望を失った中年層」との評価も出ており、老年層が予測可能な老齢年金に期待して安定的な消費生活を送っている一方で、働き口がなく未来の収入増に対する希望も失ってきている青年層は衣食にかける費用を節約しながら何とか持ち堪えているとの見方が示されている。そして、実際に中国本土31省・直轄市の統計によれば、若年層の割合が高い地域ほど消費の伸びが低下している。また、2020年に不動産バブル崩壊が始まって以降、中国本土政府が発表した3年間の成長率統計に対しても疑問の声が出ている。都市就職人口の推移、投資の伸び、物価指数の変化などとつじつまが合わないというのがこうした疑問の声の背景であり、また、こうした疑問が外国勢からではなく、中国本土国内から出ていると言うのが、今回の特徴である。
2020年に新型コロナウイルス感染拡大が始まる前までは、中国本土は消費と投資の伸びが経済成長率と同じ傾向を示していたが、この3年間は中国本土政府が発表する経済成長率が消費や投資の伸びより遥かに高くなっており、違和感があるとされている。こうした見方の上で、過去3年間、毎年成長率が3ポイントずつ過大評価され、合計すると10ポイントに達するとし、中国本土政府発表数値から毎年3ポイントを差し引けば、消費・投資の伸びと推移がほぼ一致するとの見方となっている。(つづく)
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