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2024-12-22 00:00
(連載2)アメリカの「近隣窮乏化政策」
岡本 裕明
海外事業経営者
今回、トランプ氏が本当の隣国であるメキシコとカナダにも関税による脅迫を行い、カナダはもしもそれが実施されるなら報復関税を行うと明言しています。ただ、カナダがアメリカと戦っても勝ち目がないのは自明であり、アメリカのブラックホールになす術がないというのが現状ではないかとみています。
普通、近隣窮乏化政策というのは自国通貨の価値を下げることなのですが、ドル基軸を利用し、アメリカは逆に自国通貨の価値がどんどん切りあがる中での近隣窮乏化を進めている形になっています。パウエル議長の悩みはインフレ率がここに来て下がりにくくなっていることがあり、アメリカ人の購買力の強さを示すものとなっています。いうまでもなく、世界でアメリカに経済的に太刀打ちできる国家や地域がないことが全てを語っているのです。おまけにアメリカは軍事力、政治力、発言力まであらゆる方面での強さを維持しています。
かつてビックバンという言葉がありました。金融の世界などで使ったと記憶しています。この語源はもちろん膨張する宇宙のことを指しているのですが、閉じた宇宙を前提とするなら膨張は逆転し、ビッククランチという大収縮が始まります。またブラックホールは最終的に大爆発をすると想定されています。
つまり世界経済は無限の成長が可能なのか、一定の枠組みを超えることができないのか、そしてもしもその力に歪があり、均質ではない社会が生じた時、それがもたらす影響はどうなるのか、という検証は宇宙論も経済論でも同じ範疇なのかもしれません。
意図的か否かはともかく、アメリカの近隣窮乏化には対抗できる強い「バランサー」(=国際経済の平衡を保つ国家や地域)が必要です。かつて期待された欧州がその役目を果たせていないことが最大の誤算だった気がします。BRICSが今後、台頭してくるのでしょうか?それより日本を含む東南アジア圏経済もあるし、インドも控えています。少なくともアメリカの独走は理念でも理論でも公平な観点からは良くないでしょう。トランプ2.0でそれがよりはっきり見えてくるような気がします。(おわり)
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