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2024-11-16 00:00
(連載2)セブンのMBO提案に思うこと
岡本 裕明
海外事業経営者
例えば大手ホテルチェーンはブランドネームを5つ以上持っています。顧客はそれぞれのブランドネームでそれぞれのホテルのサービス度がわかっているので様々な顧客の期待や要望を受け入れることができるのです。それを日本のコンビニで展開するなら24時間営業を含む利便性型、価格的にスーパーと競合できるタイプ、駅のキオスクやアメリカのガソリンスタンドのようなミニコンビニで商品の種類が限定されている中で高い利益率と少品種販売効率追求を目指すタイプといった具合にブランド化はいくらでもできるのです。
それなのにセブンはなんでもセブンで全くそのようなブランディング戦略を取らなかったのは北米でビジネスをする私からすれば「なんでだろう?」の一言なのです。日本のコンビニはレジで調理品を扱うのが当たり前となっていますが、それがすべての店舗で本当に必要なのか考える時期にあると思うのです。
それらがうまく展開できなかった現経営陣が日本史上最高額のMBOを実施するのはにわかに信じられないし、もしもそれで銀行団が乗るというならいったいどのような貸し付け資金回収計画を持っているのか聞いてみたいものです。井坂社長が30年までに現在のグループ売上17兆円超を30兆円にすると言っていますが、私は売り上げ至上主義ではなく、利益を上げる経営戦略がより重要だと考えています。私はカナダでセブンに入ることはほとんどありません。理由は日本のセブンを知っている者にとってあれはセブンだとは到底思えないからです。
アパが2016年にバンクーバーを中心とするホテルチェーンを買収しました。買収のいきさつは知っているのですが、ここでは書けません。ただ、正直、元谷夫婦が当地に来た時本気であのチェーンがアパのイメージになると思って買収したとは思えず、単にgood dealだったから買収したとしか思えないのです。現在もアパの名前はついていますが、アパとは全く違うスタイルの北米でよくあるホテルです。直近の日経ビジネスで元谷会長が「カナダのホテルチェーン、コースト・ホテルズを16年に買収しましたが、やっぱりできる限りは日本で事業を拡大したいと考えています。… 海外ではそんなに一生懸命増やそうとしてはいないです。そういう話があれば伺いましょうというくらいです」なのです。この意味は元谷氏はアパのブランド戦略には長けているけれど毛色の違うものは手に負えないと言っているのも同然なのです。セブンほど企業が大きくなり、海外比重が大きくなると国内経営者のチカラではどうにもならないところまで来ているともいえるのです。ここを外すとセブンは伊藤興業と共に凋落のサイクルに入ってしまうと考えています。(おわり)
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