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2024-11-16 00:00
何故トランプ政権になってもUFO情報の開示はされないのか?
宇田川 敬介
作家・ジャーナリスト
トランプ氏が大統領になるということで、「今度こそNASAや軍が持っているUFO情報が開示されるのではないか」という期待が一部で高まっている。このように「大統領が変わると、UFO情報が開示されるのではないか」というのは、二つの理由から言われている。一つは「アメリカの情報開示規則」である。50年たった情報は基本として開示されるということで、例えばケネディ大統領暗殺の記録などが開示されるのではないかというようなことになった。しかし、それらの情報は機密レベルが高いということで情報の開示が行われなかったということになったのである。
これを2016年の大統領選挙の時に、民主党のヒラリークリントン候補が「自分が大統領になったらUFOの情報をすべて開示する」と公約をしたのである。もちろん、クリントン氏が落選したので、開示をすることはなかった、この時に「UFO情報を開示する」としたことが、トランプ支持者の中で、後に「ディープステート陰謀論」 につながることになるのである。これは、「ヒラリーやバイデンがディープステートとつながっていて、UFOに関する情報を多く持っているだけではなく、隠す情報と隠せない情報の区別をしている」というような内容に基づくものであったが、その辺のところはまた別にしよう。ただし、「ディープステート」という人々は、ヒラリークリントンやバイデンとつながっている組織であるらしく、その後も陰謀論の中にたまに出てくることになるのはなかなか興味深いところである。さて、それがバイデンの政権になっても開示されることはなく、今回その内容が開示されるのではないかということになる。
私自身は「開示される予定はない」というように聞いていて、その根拠は「UFOといってもその内容は宇宙人に関するものばかりではない」ということである。つまり、ロシアや中国などの新兵器や、アメリカ自身が秘密裏に開発している兵器などもその中に含まれるのではないかということで、その内容を開示することは国防上の観点からできないということになる。要するに「サブカルチャー」として楽しまれていることが、何故国家機密かといえば、その内容は知らず知らずのうちに、国防情報を含む内容になっているということであって、何も宇宙人とディープステートという闇の政府がつながっているというようなモノではない。アメリカのドラマ「Xファイル」のような世界ではないということになるのである。
このように考えれば、「宇宙人に関する内容は出してもよいのではないか」というような反論が出来るが「どれが宇宙人で、どれが新兵器なのかが判断つくものは、そもそも『未確認飛行物体』になるものではない」ということになる。私が出演した「エンカウンターズ」というドキュメントであれば、「UFOは、プラズマなのか、宇宙人なのか、または死んだ人の人魂なのか」ということの判断もつかないということになるのである。国家機密として「開示できない情報」ということが、必ずしも陰謀につながるというのは、陰謀論者の大好きな内容であるが、必ずしもそのようなサブカルチャー的な内容ではなく、実は国防における重要情報である場合もあるということを考慮に入れて「陰謀論」という作り話を楽しんでいただければよいのではないか。
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