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2024-05-14 00:00
サイバーテロについて
真田 幸光
大学教員
今年は、既に実施された選挙も含めて、世界約50カ国で重要な選挙が行われると言われている。こうした中、サイバー空間に操作された情報を流し、自由民主主義国家の選挙を妨害する中国本土、ロシア、北朝鮮の攻撃が深刻化しているという調査結果が相次いで発表されている。
真偽のほどは分からぬ。
しかし、こうしたレポートは、例えば、マイクロソフト(MS)などが示している。MSはサイバー世論操作の試みを把握し、そうした行為を、「スパムフラージュ(spamouflage)」と名付けている。インターネット上の広告性コンテンツを意味する、「スパム(spam)」と偽装を意味する、「カムフラージュ(camouflage)」の合成語で、大量のスパムコンテンツで偽情報を流す手法を意味している。2016年の米国の大統領選挙当時、ロシア対外情報庁がソーシャルメディアに偽情報を流したり、サイバー攻撃を行ったりして論議を呼んだほか、今は中国本土のハッカーがそれを上回る動きを見せていると報告されている。
米国民主主義防衛財団は、バイデン大統領に対する攻撃を含め、反米傾向のコンテンツを流し続けている170個のソーシャルメディアアカウントを確認したと明らかにしているが、その大半が中国本土発であったと報告されている。X(旧ツイッター)の、ある中国本土発アカウントは、バイデン大統領が囚人服を着た偽写真を拡散する一方、高齢であることを皮肉る英文のコンテンツを大量に流したりもしている。「バイデンはサタニズムの小児性愛者」であるという偽ニュースも広めていると伝えている。英国戦略対話研究所(ISD)は、「このアカウントはスパムフラージュ方式で生成された。」と指摘している。
フェイスブックを運営するメタは最近、「中国本土政府がフェイクニュース、親中メッセージを広める為、中国本土全土に様々なオフィスを置いており、交代制で運用していると見られる。」との見方も示している。「疑心暗鬼」という心のウイルスが世界中に感染する背景の一つに、こうしたサイバーテロの動きがあると見られる。
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