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2023-08-02 00:00
米国の次世代ステルス戦略爆撃機
真田 幸光
大学教員
私は、現実との折り合いをつける為にも、一定程度の軍拡は必要であると考えていますが、「行き過ぎた軍拡競争」の罠にはまると、「国防品輸出でもしない限り、国家財政を痛める」一方、「その軍拡競争に必ずしも勝てるとは限らない。即ち、最終的には、国力と言う体力勝負になり、その結果、やはり国力の強い国が勝ち残る」といった結果が見えていることから、「抑止力としての軍拡」をどうしていったらよいのかを日本として、総合的に検討すべきであり、国防の為の兵器を「安易に」購入することには基本的には反対であります。
さて、こうした中、以下のようなお話も出ています。即ち、米国は、核兵器を搭載できる次世代ステルス戦略爆撃機「B21レーダー(Raider. 突撃隊)」を完成しました。これにより、中国本土、ロシア、北朝鮮などに対する米国の核抑止力が一段と強化されるものと分析されています。レーダー網に、B2が「大きな鳥」くらいの水準でキャッチされるとするなら、B21は「ゴルフボール」くらいの大きさに過ぎず、探知回避能力が一段と強化されたと米国はその戦略性の高さを自慢しています。
ノースロップ・グラマン社も開発に関与したと見られるみの爆撃機について、米国のオースティン国防長官は、「B21は戦略爆撃機の独創性と革新の面において引き続き米国の戦力的優位を示してくれる証拠である。他のいかなる爆撃機もB21には匹敵し得ない。米国の抑止力はさらに強固になるだろう」とコメントしています。
B21は、中国本土の核戦力に対応する為、米国が進めている1兆米ドル規模の核抑止力改編作業で最初に披露された兵器で、今後は北朝鮮に対する戦略アセット(軍事資産)としての役割も果たすと予想されています。B21は核兵器を運用し、世界のどこであろうと秘密裏に攻撃できると評価されており、将来、中国本土との覇権争いを巡る衝突の懸念が高まることに対して、米国国防総省が出した一つの解決策であると見られています。尚、米国政府は戦略爆撃機をはじめ大陸間弾道ミサイル(ICBM)・原子力潜水艦という3大核戦力の現代化作業を進めている点、付記しておきたいと思います。
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