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2023-02-09 00:00
「国政」を動かす前に自身の「アイデンティティ」の確認を
伊藤 洋
山梨大学名誉教授
先月から、「異次元の防衛力増強」、「異次元の子供支援」、「異次元の資本主義」等々と「異次元」だらけの岸田政権の、その大いなる「リアリズム」が問われる通常国会が始まった。国会が留守の間に「異次元」時空間を作りほうだいつくってきた岸田文雄首相だが、さてさてその中身がどれ程の「異次元」なのか、はたまたこけおどしの単なる偽物なのか?何しろ岸田政権が誕生してから1年有余経つというのに腰を落ち着けてこの国の行く末をじっくり取り上げて熟慮したという痕跡が全く見えない。文字通り異次元の世界から魑魅魍魎がやって来て、何かを隠して立ち去ったというようなそんな時間が過ぎ去っていっただけというのが筆者の印象だ。
なぜこんなことになるのかと熟考してみると、岸田文雄さんご自身がご自分には豊富に有ると信じている「知性」だが、本当はこれをあまり持ち合わせていなかったのではないか?それを見破っている霞が関や永田町に巣食う有能な宦官たちが岸田さんの耳元で囁いているのが「異次元○○」なのではないか?その一例が、<異次元の国防力増強プラン>だ。A4版裏表印刷で4枚に満たないほどの「国防3文書」、一国の憲法を完無視した軍国化政策を閣議了解だけで「決定」した。それについて、立法府を通じて自国民や国民を代表する国会議員と議論したことのないものを、初見で六つもの有力異国の最高権力者に言いふらして歩いたうえに、最後の米大統領府では、主のバイデン氏自身がホワイトハウス玄関まで出迎えてくれ、あまつさえ肩に手を付いて大統領執務室まで案内してくれたこと、これがうれしくて氏は舞い上がったという。
岸田さんは、正月休みに知性の陶冶を計画して数冊の書物を買い込んだと新聞に出ていた。その中にはドストエフスキーの長編名作「カラマーゾフの兄弟」が入っていたらしい。しかし、どうも途中で投げ出してしまったと、後刻どこかの新聞が書いていた。時間が無かったからとあった。さもあらん。審問官の章を読めば自身の来し方行く末にいささかの自信を喪失したにちがいないが、その証拠が無いところを見るとどうやらその前に頁を閉じたのであろうと思料する。
ここまで少々冗談にめかして書いてきたが、われらが宰相のいささかの異次元性について、一国民として実に不安になってきた。そういえば巷では彼は少年時代には東大病患者だったという。己の本当の実力と、自身がカラーで描く自画像とがずれたままの人物が一国を主導するという無謀さは危険である。年初にあたって、氏には「国政」を動かす前にもう一度自身の「アイデンティティ」の確認から始めてもらいたい。
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