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2022-09-29 00:00
(連載2)戦後秩序の終焉と中国の経済問題から始まる政治不安
大井 幸子
国際金融アナリスト
中国人民銀行は利下げでバブル崩壊を和らげようとしていますが、国際金融筋は人民元切り下げ間近とみています。マクロ的に見ると、中国の不動産バブルのみならず、国民経済におけるマネークリエーション(信用創造)そのものが崩壊すると見るべきでしょう。通常の経済発展において、自国のマネー(通貨供給)が賢く生産性向上に向けて投下されない限り、持続的な経済成長は起こりません。例えば、新規事業や技術革新のためにリスクマネーが設備投資や人的資源に投下され、産業における生産性が向上すれば、企業はリターンを生み出し、経済は成長することができます。しかし、信用創造のプロセスが破壊されれば、経済は立ち行かなくなります。
今、世界の主要国が利上げや金融引き締めに政策の舵を切る中、日本と中国は景気をよくしようと緩和策を続け、自国の市場にマネーを供給しています。しかし、供給されたマネーが生産性向上に向かわずに、資産価値を膨らます目的で株や不動産に投資されれば、必ず資産バブルが発生します。そして、バブル破綻が起こると資産価値が一気に暴落し、信用収縮が起こり、実体経済が冷え込み、失業が増え、不況に陥ります。
日本と異なり、中国のバブル破綻は政治闘争の一環であり意図的であるため、破綻処理においてもどこまで事態が悪化するのか、どこで歯止めがかかるのか、経済合理性では予想もできず、まったく不透明です。
中国の信用崩壊は、単なる金融・経済の崩壊のみならず、政治や外交においても国家としての信用を失墜させるでしょう。マルクス主義流に言えば、「下部構造(経済)が崩壊するとき、上部構造(政治や外交)も崩壊する」し、そうした瓦礫の山の上に習主席の目指す「中華の夢」を打ち立てることができるのか、従来の国際秩序の今後の変化を注視しています。(おわり)
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