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2022-09-15 00:00
(連載2)「政治と宗教」の関係に光当てよ
倉西 雅子
政治学者
もっとも、カルト認定の基準次第では、自らもカルトとみなされかねません。そこで、世界平和統一家庭連合において問題視されている‘‘霊感商法’の悪質性を強調し、その有無を基準に定めようとしたのでしょう。‘創価学会は霊感商法を行なっていない’と主張すれば、創価学会は問題のない宗教法人として振る舞うことができるからです。しかも、‘何れの宗教にも非合理性が認められるため、カルト教団と一般の宗教団体とを明確に区別するのは難しい’とする専門家の意見も聞かれ、同問題を有耶無耶にする環境は整えられつつあります。ただ、基準の設定が不可能ともなれば、世界平和統一家庭連合もカルトではなくなってしまうため、より踏み込んだ基準づくりが必要です。
もっとも、この世界平和統一家庭連合と創価学会の区別の問題は、‘やぶ蛇’ともなりかねません。そもそも、「反カルト法」が制定されているフランス等では、カルト認定基準はきちんと明確化されています。しかも、創価学会は監視対象とされるカルト教団のリストに記載されているのです。何故ならば、カルト教団として認定する第10番目の基準に「公権力への浸透の企て」があり、創価学会は同基準に当てはまってしまうからです。
かくして、公明党が創価学会との関係で神経をとがらせるこの問題は、多くの国民がフランス基準の情報を知るところとなれば、期待した通りに事が進む見込みが薄いように思われます。そして、論点のすり替えに気づいたが故に、今般の問題の核心が政治と宗教との分離にあるとする認識を、より一層深めることとなりましょう。そもそも、事の発端は、政治家である’安部元首相と新興宗教団体との関係’にあるのですから。
政治と宗教との癒着に関しては、信者数を考慮しても、公明党を介して政治権力に浸透している創価学会のほうがはるかに大規模と言えましょう。特定の宗教団体が公権力に影響力を持ち、利益誘導を行うことができてしまっているとすれば、これを問題視しないわけには行きません。世界平和統一家庭連合の問題を奇貨として暗黙のうちに定着してしまっている政治と宗教の問題に光を当てることは非常に重要ではないでしょうか。日本国の民主主義を歪める要因を一つずつ取り除かないことには、社会をアンフェアなものとする悪しき政治は終わらないのではないかと思うのです。(おわり)
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