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2022-08-31 00:00
中国共産党、第20回全国代表大会開催を決定ー中国の「内憂外患」再論
松本 修
国際問題評論家(元防衛省情報本部分析官)
中国共産党は8月30日、習近平総書記の主宰で政治局会議を開き、第19期中央委員会第7回総会(第19期7中総会、以下「7中総会」と記述)と第20回全国代表大会(中国語では「第二十次全国代表大会」で以下「二十全大会」と記述)の準備活動を研究した。そして、政治局会議は7中総会を、国慶節休暇明けの10月9日に北京で開催することを決定し、さらに政治局は7中総会に対し、二十全大会を1週間後の10月16日に北京で開催するように提案したという。
2017年以来5年振りに開かれる中国共産党全国代表大会(党大会)は、今後の政策方針と、これを実行する指導部人事を決定する重要会議であり、昨年11月の6中総会で「新時代の歴史経験決議」(いわゆる「第3の歴史決議」)の採択と同時に本年下半期の開催を決定していた。さらに、中国共産党は、党大会へ参加可能な代表2,300人の選出活動開始を通知し、台湾省を含む省・市・自治区32、及び中央企業系統・中央金融系統、党中央機関・国家機関、解放軍・武装警察部隊から代表が全て選出されて、開催準備は一見順調に進んでるようにみえる。しかし、本年に入り、中国は「内憂外患」の渦中にある。内政上、オミクロン株による新型コロナの蔓延、これを撲滅すべく採択された「ゼロコロナ」政策に伴う経済減速が顕著であり、対外的には2月のロシアのウクライナ侵攻の継続、8月のペロシ米下院議長の台湾訪問への「報復」を企図した対台湾特別軍事演習の実施、これによる米中対立の再燃である。こうした内外の状況に対し、習近平総書記は10月の党大会でいかなる主張、対外発信を行い、新たな陣容を示すのであろうか。
先ず政策方針の内容であるが、ここに問題はないであろう。2021年7月の中国共産党100周年における習近平の演説や、11月の6中総会における「党の100年奮闘した重大成果と歴史的経験に関する中国共産党中央の決議」が既に存在するからであり、この要点を踏襲するものになるであろう。
問題は、内外で議論が喧しい中国共産党の指導部人事、すなわち10年以上の任期となる第3期習近平体制の中身である。5年前の2017年、第19回党大会(十九全大会)で最高指導部である政治局常務委員会(いわゆる「チャイナセブン」)には習近平の「後継者」(中国語では「接班人」)となるべき若手が入らなかった。したがって党大会では、習近平自身が総書記に留任して新たな部下(国務院総理、全人代常務委員会委員長、全国政治協商会議主席等)を抜擢・配置するか、あるいは党規約を改正して毛沢東時代の「党主席」(副主席)制度を復活させて習近平らが就任し、政治局(同常務委員会)、その事務機構である書記処(トップは別の総書記配置、あるいは廃止)を隷属させるかである。後者の人事措置を目指すなら、現行の党規約改正が必要となるが、そのような議案は確認されていない。また台湾統一を真に目指すなら、中央軍事委員会人事も重要な案件となるが、情報統制が厳格化しており細部は明らかでない。今後の中国の動向、内外の報道状況が注目される。
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