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2022-08-25 00:00
(連載2)中国経済のアキレス腱
岡本 裕明
海外事業経営者
この話、日本のバブル崩壊の時と似ている部分も多く、最大の被害者は住宅購入者で高値掴みの住宅のローンを延々と支払い続けるバトルに陥ってもおかしくないでしょう。開発業者の最大手である恒大集団は中途半端な状態に放置され続けており、7月末には再建計画を発表する予定でしたが、それも出せず、現在もその内部の様子はうかがい知れません。但し、経営不振になってから既に相当の時間が経っていることを考え合わせると実質的に国営か政府の管理下に入っているとみています。他に大手だけでも軒並み経営不振が伝えられていますが、倒産企業が限定されているところを見ると政府が潰すなという指示を出している公算もあると思います。
なぜ、潰さないのか、といえば現在起きている負の連鎖と言えども連鎖という鎖が繋がっているのです。この鎖が切れるとパニックに陥るのです。例えばリーマンショックの時はまさにこの鎖が切れたわけです。一瞬のうちに大混乱に陥ったあのシーンからはまだ14年しかたっていません。記憶に新しい人も多いでしょう。
ただ、個人の不動産購入者、銀行、開発業者、政府という役どころを考えた場合、個人購入者は数が多く、一律のコントロールが効かないという難点があります。上記の鎖の話で言えば一番切れやすいのが個人購入者である点も見逃せないのです。
中国は不動産バブルをずっと維持してきました。GDPの29%も占める不動産は潰すわけにはいかないという威信もあったのでしょう。私が見る限り、今はかなりギリギリの綱渡り状態だと思います。中国の7月の物価上昇率は2.7%で2年ぶり水準で着実に物価が上がっています。しかしながら、中国中央銀行はむしろ逆で利下げをもくろんでいます。しかしそうすると中国の資本流出が余計悪化するというジレンマに陥るのです。どう見ても経済政策的に詰んできているようにも見えます。私は習氏の三期目よりも経済が意図せずしてコントロールを失う事態にならないか、非常に心配しております。(おわり)
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