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2022-08-24 00:00
(連載2)追悼:戦略的思考を貫いた大宰相・安倍晋三
長島 昭久
衆議院議員
この戦略構想が、第二次政権の約8年で現実のものとなり、それが日本の戦略だけでなく米国と共有され日米同盟のインド太平洋戦略となり(なんとハワイの米太平洋軍も「インド太平洋軍」と改称されました!)、「自由で開かれたインド太平洋」(FOIP)というコンセプトが世界各国に広がったのです。日本の政治指導者が唱えた構想が米国はじめ世界で共有されるなどというのは、有史以来初めてのことといっても過言でないと思います。
そのために、外交・安保政策遂行の司令塔である国家安全保障会議(NSC)を内閣官房に創設し、国家秘密を保護する法制を成立させ、同盟強化のため集団的自衛権の行使容認を断行。安倍総理は、これら一連の安全保障の構造改革を内閣支持率を10ポイントも減らしながら成し遂げたのです。ちなみに、悲願の集団的自衛権行使容認の閣議決定を見届けて、岡崎久彦大使は2014年10月26日、安らかに天に召されました。安倍外交はその後もエンジン全開。懸案だった韓国との慰安婦問題を解決し、ロシア外交を活発化させ中露分断を実現、米国離脱後のTPP-11を完成させ、さらには不確実性の連続だったトランプ政権の衝撃から日米同盟を守り抜き、EUを離脱した英国との関係強化をインド太平洋戦略に連接したのです。
そして、対中戦略外交における最後に残されたピースが「台湾海峡の現状維持」でした。台湾の行く末については、晩年の岡崎大使が最も心を砕いておられましたが、総理を退いた後の安倍さんが最優先に取り組もうとされていた外交課題が台湾問題であった、と私は確信しています。
時あたかも台湾海峡をめぐる緊張が急激に高まっています。台湾の自由と民主主義を守り抜けるかどうかが、東アジア、延いてはインド太平洋地域における永続的な平和と安定の行方を左右する試金石です。そして、それこそが、私にと岡崎大使と安倍さんから託された最大の使命であると密かに自認し、政治生命を賭けて取り組む覚悟です。(おわり)
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