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2007-09-26 00:00
テロ特措法と選挙における民意
伊藤英成
元衆議院議員
先の参議院選挙で野党が過半数を制した。民主党が比較第一党となった。臨時国会も始まったと思ったら、突然の安倍首相の辞意表明。そして急遽自民党の総裁選挙。首相は福田さんになったが、勿論参議院の構成は変わらないし、衆参のねじれも変わらない。
この臨時国会での最大課題の一つはやはりテロ特措法の扱いであろう。2001年の9.11テロの直後のテロ特措法案の扱いについての民主党の責任者の一人であった私は、党内での取りまとめは勿論、本会議での代表質問、特別委員会での議論などに積極的に取り組んだことを思い出す。自衛隊派遣に係わるシビリアン・コントロール、国会の事前承認、日本外交のあり方などを主張した。
衆議院の特別委員会だったか本会議だったか、国会の事前承認の民主党修正案が容れられず、民主党が反対して通過したその日の夕刻、駐日米大使館の幹部と会食した。その折、私自身の考え方として「私は自衛隊に陸上活動をさせたくない。せめて海上活動までにしたい。日本は、基本的にはアフガン復興などに取り組む国となりたい」と強く話したことを思い出す。その後民主党は基本計画・実施措置を承認した。
6年経った今日、自衛隊活動の実態、そしてテロや各国の状況も十分検討し、国として今後の自衛隊の給油活動継続の是非について結論を出すことになるだろう。与党や政府が、現法の継続または新法による給油活動などが国益のために必要だと考えるなら、その必要性を野党に対しても国民に対しても全力で十分に説明し、理解を得る努力が肝要である。そのうえで野党の反対で否決され、自衛隊の給油活動が出来なくなった場合、それは先ずは参議院選挙で野党が過半数を占めたこと、つまり有権者の選択結果によるものと見なければならないだろう。
しかし、先の参議院選挙はテロ特措法問題というシングル・イシューで行なわれたわけではない、ということも事実である。テロ特措法の延長にしろ新法にしろ、国会その他の議論において、自衛隊の給油活動が日本の国益上必要なのか、国際関係や日米関係のために必要なのか、それらをどう考えるべきかといった問題を是非明らかにしてもらいたい。国民や有権者はそれによって、どの政党を支持すべきかを判断するだろう。
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