ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2022-07-20 00:00
(連載2)与党大勝は国内外の巡り合わせの結果
中村 仁
元全国紙記者
安倍元首相は退任後も、発言力、影響力を維持し、岸田首相に圧力をかけ続けていました。防衛事務次官人事では、首相秘書官として仕えた島田氏の続投を露骨に望んでいました(結果としては、鈴木氏が就任)。安倍事務所には官僚たちが列をなしていたそうです。
日本の外交、安全保障面では、大きな変革をした安倍氏も、アベノミクスに退任後もこだわり、主要国最悪の金融・財政状態の改善に見向きもしませんでした。安倍氏の圧力がなくなった岸田氏は、秋以降、人選が始まる黒田日銀総裁の後任人事でも、独自色を出していく。
安倍元首相の銃撃事件についていえば、犯人の動機は、「特定の宗教団体」に対する私的な恨み、私生活からくる悩みなど、粗雑な思考結果によるものと推察されます。さらに隙だらけだったお粗末な警察の警備体制が犯行を許してしまったという見方が強まっています。政治テロ、民主主義に対する脅威という次元の事件ではないと、総括されていくのでしょう。新聞社説をみると、日経の「民主主義に対する許しがたい挑戦。投開票が混乱なく進んだことは、テロには屈しないないという私たちの決意の表れである」は、ピンとこない大げさな主張です。
何も国民、有権者を対象にした政治テロではないようです。日経は社説での指摘をもう一度、吟味してみる必要があります。朝日新聞社説は「安倍元首相の銃撃・死亡事件の衝撃が冷めやらぬなか、自公与党が改選議席の過半数を得て勝利した」と書き始め、「岸田首相は安定的な政権基盤を手にした。民主主義の重要性が再認識されるなか、『丁寧で寛容な政治』の真価が問われる」と、書きました。「殺害事件→民主主義の重要性→寛容な政治を」という脈絡は、繋がりが悪すぎる。「改憲勢力が維持された選挙結果を受け、岸田首相は数を頼んで改憲に走らないでくれ」とでも言いたかったのでしょう。それと今回の殺害事件を結びつけることに無理がある。見出しは「民主主義の実践が問われる」です。「テロ事件→民主主義が問われる」と、「改憲勢力維持の選挙結果→憲法改正の可能性→民主主義への懸念」を重ね合わせた奇妙な朝日的な論理構成は疑問を感じます。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム