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2022-06-30 00:00
(連載2)不十分な岸田内閣’一億総株主’政策のリスク説明
倉西 雅子
政治学者
近年では、こうした民間における投資詐欺事件を防止するために、金融事業者には、勧誘時に際し、顧客に対してベネフィットのみならず、リスク面についても十分な説明を行うよう法律で義務付けられるようになりました。例えば、日本国では、消費者保護の観点から2001年に金融商品販売法が制定されています。現在では、投資は顧客がリスクを知った上で行うべきもの(リスク説明なしは違法行為)とされているのですが、政府が提唱している今般の’一億総株主’政策には、リスク説明が全く欠けているのです。
同政策によって、「成長と分配の好循環」が確実に生まれるとは限りませんし、投資である以上、国民が損失を被ったり、金融バブル等が発生するリスクは当然あるはずです。’笛吹けど踊らず’の状態になったのも、国民の多くが、リスクに対しては何らの説明もしようとしない政府に対して不信感を抱くからなのでしょう。もしかしますと、’最も成功したケース’となる確率は、1%以下かもしれないのですから。
政府が’、リスク説明をせずに最も成功したケース’のみを語って、利益誘導型の政策を実施する事例は、枚挙に遑がありません。かつて、公共事業における’箱もの’が問題となったのも、政府の計画段階では収益が見込める黒字事業として説明されていたものの、実際に運営を開始してみると大幅な赤字となり、国民の財政負担が増すケースが後を絶たなかったからです。
今日にあっても、カジノを含むIR計画には同様の側面が見受けられますし、コロナワクチン接種政策も、国民に対するリスク面の説明が政府からはほとんどないまま推進されました。このように’一億総株主’政策には多くの問題があり、金融販売商品法と同様の目的と趣旨において、政府に対し、全ての施策についてリスク面の説明を国民に行うよう、法律によって義務付けるべきではないかと思うのです。(おわり)
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