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2022-06-22 00:00
(連載2)30年来のマクロ経済政策と縁を切れ
中村 仁
元全国紙記者
まともな識者は「日本の異次元緩和は曲がり角を迎えつつある」(吉川洋・東大名誉教授)と言っています。エコノミスト(元参議院議員)の藤巻健史氏は「もやは打つ手なし。金利を1%上げれば、日銀は2年で債務超過に陥る」(月刊文春7月号)と述べました。日銀史上で最悪の事態を予言します。それに対し、経団連研究所の永浜利広・研究主幹は「経済が正常化するまで積極財政を継続しなければならない」(日経経済教室)と述べました。安倍元首相もアベノミクスが否定されることを警戒する言動を続けています。
私は前日銀総裁の白川方明氏が「異次元緩和、アベノミクスはアジェンダ(政策課題)の設定が間違っている」と、批判していたのを覚えています。金融緩和や財政膨張ではなく、経済、産業システムの改革が必要だと。近著「日本経済/成長志向の誤謬」(日経出版)で神津多可思氏(元日銀)は「構造改革が徹底されないまま、金融財政政策で景気を浮上させようとして無理。これ以上のマクロ政策の拡大は困難であるばかりか、むしろ弊害を生む」と指摘しています。お二人の主張は正論だと思います。
金融財政政策が経済システムの主役に躍りでていることが問題なのに、経団連のエコノミストがまだそれにすがろうとする主張をする。アベノミクス10年、それ以前からの拡張的な金融財政政策という「竹馬」を経済界や産業界は手離せない。
岸田首相の「新しい資本主義」は、予算案の要求項目を並べたてている。ようは継ぎはぎです。過去2、30年のマクロ経済政策と縁を切る。目先の問題としては、利上げを急ぎ、円安の弊害をなくすことです。日本は政策の検証をせず、次々に応急処置を繰り返してきました。その限界に目覚める時です。(おわり)
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