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2022-06-21 00:00
(連載1)30年来のマクロ経済政策と縁を切れ
中村 仁
元全国紙記者
NYダウの29888.78㌦と連日の年初来安値となったのに続き、20日の東京市場も続落し2万6000円台を割りました。米国は金利引き上げ路線を走っているのに対し、日本は日銀総裁、官房長官、政策担当機関は「急速な円安を憂慮する」との発言を繰り返しているだけです。そのことこそ憂慮します。欧米は金融緩和の出口戦略を展開しているのに、日銀の黒田総裁はこの10年、出口論のシナリオを匂わせることすらしてきていません。欧米が金利引き上げに向かっているのに、日銀は「大規模な金融緩和(ゼロ金利)を続ける」と述べ、世界の流れとは真逆のスタンスです。
日銀が不作為を決め込んでいる間に、為替相場はあっという間に1㌦=135円という98年以来の一方的な円安です。これは円が安くなったというだけではなく、日本経済の安売りです。異次元の金融緩和と一体になった財政拡張策により、日本の国家債務(国債、借金)はGDP比で米国の2倍、ドイツの3・5倍です。憂慮すべきはこの過剰債務問題です。
黒田総裁の相談相手と思われる榊原英資・元財務官(黒田氏の元上司)は、「利上げの時代に備えよ」(月刊文春6月号)で「年末あたりから150円までの円安も」と予想しています。肝心の金利引き上げについては、「来年4月の総裁交代以降」と述べました。これには「えっ、それまでやらないの」と絶句しました。榊原氏は16年4月に「数か月以内に1㌦=100円を超え、定着する」と、予言しました。実際の流れはそれとは真逆で、今度は一転「年末には150円も」と予言しています。極端な言動を好む点では黒田氏(元財務官)も同様で、総裁に就任早々「通貨供給量2倍、物価上昇率2%、2年」を公約しましたが、無残にも失敗しました。
主要国最悪の金融財政状態を招いたのは、政府、日銀が一体となったアベノミクスです。恐らく、日銀史上、最悪のミステークとの評価が下されることになると思います。ミステークで終わらず、手を打っても深手の傷を負うのです。(つづく)
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