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2022-06-16 00:00
(連載1)岸田政権の日韓外交を絡めた参議院選挙戦略
岡本 裕明
海外事業経営者
岸田首相がドイツで6月26-28日に開催されるG7に参加した後、スペインで開催されるNATO首脳会議に出席しそうだと報じらています。個人的に興味深いのはそこにありません。韓国の尹大統領もNATO首脳会議に参加の検討をしており、事務方を現地に送り込んでいます。とすれば日韓首脳会談がマドリッドで実現する可能性が大いに出てきます。多分、日本の外交筋は既に韓国側外交部とその可能性について調整に入っているでしょう。なぜ、この時期、しかも日本は選挙前の忙しい時期に岸田首相は韓国大統領と会うことを検討するのでしょうか?
望む、望まざるにかかわらず、外構の世界では連携志向が非常に強まっています。中国の王毅外相は南太平洋諸国歴訪を終えたばかりですが、精力的に回った割には成果が少なかったようです。中国はクワッド、IPEFに強い敵対意識と台湾の取り込みに対する一定の理解を求めるための外遊だったと思われます。
一方、北朝鮮の中国との連携は最近、思ったほど聞こえてきません。中朝関係は一定の結びつきは堅持されているものの時々の外交や社会情勢により離れたり、くっついたりしています。現在はどちらかといえば疎遠な関係のように見えます。但し、一部報道によれば北朝鮮は一時拒絶していた中国製のワクチン、シノバックを受け取り、軍部が先にそれを接種していると報じられています。一時期は柳の葉を煎じて飲んでコロナをしのぐという報道もありました。多くの方は笑っているかと思いますが、柳の皮からアスピリンが発見されたことは一般の方にはあまり知られていないでしょう。その点からすれば一定の意味はありますが効果があるかは不明です。そんなコロナで苦しむ北朝鮮がこのところ、ミサイル発射にご執心になっています。これに対して「いかん!」なのか、「遺憾」なのかわかりませんが、日本は一定以上の刺激をしないよう細心の配慮をしながら抗議だけはするという「良心的対応」を繰り返しています。
もし、岸田首相が尹大統領と会った場合、トーンが大きく変わってくるように思えます。尹氏は非常に押しが強く、自分の考え方を明白に打ち出し、かつ一定の実行力と権限があります。岸田氏はバラエティ番組で「遣唐使」ならぬ「検討使」と揶揄されるほどの調整型首相です。最近は世論調査の高い支持率に反して一部から岸田氏の政策や姿勢に冷たい声が増えてきたのも事実です。実行力が問われているわけです。(つづく)
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