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2022-04-07 00:00
(連載1)経済安全保障と各国の動きについて
真田 幸光
大学教員
米英に対峙し、世界標準である、英語、米ドル、英米法、英米のモノづくり基準、英米の会計基準といった国際標準の変更に挑む中国本土や力で世界の領土秩序を変更してこようとしているロシアなどを意識して、戦略物資を守るという動きが世界的に広がりつつある。これは反面、自由で公正なビジネス行為を規制する動きともなり得、統制国家的となるとの見方もあり、また自国第一主義に向かう危険性も孕んではいる。
しかし、今般のロシアのウクライナ侵攻(ロシアはウクライナの親露派を守る為の平和維持軍の派遣と言ってはいる。)以降、こうした経済安全保障に対する意識は強まっていると言えよう。即ち、ウクライナ事態を受けて、米国・商務省産業安全保障局(BIS、尚、ここでは国際決済銀行の略称ではない、念の為)は声明で、ロシアに対する全面輸出規制を行うと明らかにした。BISは、「今回発表された輸出規制措置は、米国製品はもちろん、米国の装置やソフトウェア、設計図などを利用して生産した外国製品まで含め、一国をターゲットとしたものとしては最も包括的な制裁措置である。」と発表、全世界の、少なくとも米国の同盟国を巻き込むような声明となっている。
BISは、中国本土の通信機器メーカーであるファーウェイ(華為技術)に対して適用した、「海外直接製品規則(Foreign Direct Product Rule)」を今回の制裁にも更に強化する形で適用するものと見られている。これは、米国以外の外国企業が作った製品であっても、製造過程で米国のソフトウェアや技術が使用されている場合は輸出を禁止出来ると、米国の判断、価値観を同盟国、関係国に一種強要するというものであり、これに応じない国は、米国から制裁を受ける危険性(脅し?!)もあるものであると言えよう。
これに伴い、半導体と共に自動車・電子製品などをロシアに輸出している、日本や台湾、韓国も、それぞれの独自輸出規制の有無とは別に米国との関係を考えれば、ロシアに対する制裁に更に深く参加することになった、或いは、対露制裁にたとえ消極的であっても、これに参加せざるを得なくなったのではないかと思われる。(つづく)
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