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2022-03-26 00:00
中国本土の変化について
真田 幸光
大学教員
中国本土の四川省・成都市という都市は、日本人が抱く、「中国のイメージ」がそっくりと存在している街ではないかと、私たちの間ではしばしば言われてきています。私も香港に駐在していた頃、そうした成都の話をよく聞きました。
例えば、この成都が上野動物園でも有名で、日中友好のシンボルにもなっているパンダの繁殖基地があることが挙げられましょう。また、横浜の中華街などではあまり見かけせれなかったものの、中国本土各地では、刺激ある栄養価の高い食べ物として流行している火鍋の店も多く、辛いもの好きの日本人には古くから馴染みのあるマーボー豆腐の店もたくさんあるのがこの成都であります。更に、最近では日本のサラリーマンはあまりやらなくなったものの、根強い人気がある麻雀が出来る雀荘が今もこの成都にはたくさんあり、そして、極め付けは、日本でも大人気の三国志の中の、蜀の首都でもあったのがこの成都であります。
しかし、当時、アジアや中国本土国内でお金を借りたいという、所謂、「資金ニーズ」のある企業や組織を探していた私にとっての成都は、「内陸の中核、大都市にして、中国本土の産業、軍需産業も含めた産業を支える大都市であり、資金需要の強い都市」というイメージでありました。いずれにしても、日本人にとっては、「ザ・中国」そのものの街でもある成都では、最近、中国本土でも今や着る人が少なくなってきている、中国本土の古代からの民族衣装であるところの、「漢服」が若い人たちの間で流行しているというのであります。聞くところ、新型コロナウイルス感染拡大の中、中国本土では、例えば、感染を防御する機能を持つ防護服でありながらも、ファッション性を追求したお洒落な洋服作りというものが流行るなど、「価値観の変化」に伴うビジネスの変化が見られているようなのですが、そうした延長線上でしょうか、更には、ここにきての中国本土自身の発展を背景とした「自信」に基づき、中国本土のアイデンティティを高めようとする動きが加わったのでしょうか、漢民族の伝統的な服に現代的なデザインや色なども取り入れた新しいファッションが生まれてきているようなのでありです。
こうしたことを見ていると、中国本土の人民にも価値観の変化が広がり、共産党一党体制の統制国家的な中国本土から変わってくる可能性はあるのではないかと少し期待を持ちながら、私は眺めています。
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