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2022-03-22 00:00
(連載1)大統領制と議院内閣制
岡本 裕明
海外事業経営者
バイデン大統領は様々な不評を買っていますが、ウクライナ問題が発生してから各世論調査とも支持率が数ポイント上昇、不支持率も下落しています。2001年の911の際、ブッシュ大統領の支持率が90%になったことがあります。アメリカでは大統領の支持率が低迷すると戦争絡みで仕掛ければ回復できるとされています。なぜでしょうか。メディアには世論が一致したとか、国家の危機だからといった言葉が並びますが、もっと論理的に見ると私は大統領制だからなのだろうと考えています。大統領と首相の違いは何でしょうか?案外、答えられない人が多いかもしれません。
首相は議院内閣制の体制で選ばれます。首相になっても議員の身分を維持します。よって首相は三権分立の中で議会が司る立法と内閣が行う行政を兼任する形になります。三権分立と言いながらも実は議院内閣制の場合、これがややあいまいになるのはこれが理由です。また首相は国民による直接選挙ではなく、政党を通して選ばれます。よって党利党略がより色濃く出るとも言えます。大統領は、方式はともかく、国民が直接選びます。そしてその人は議員ではありません。例えばアメリカ大統領が議会に行くことはめったにありません。一般教書演説とか施政方針演説といった時などに限定され、一方的にしゃべりに行きます。国会議員と質疑応答があるわけでもありません。そこで与野党の議員がスタンディングオベーションをしたり、ブーイングをしたりして意思表示をするわけです。
大統領制の場合、三権分立が明白になります。大統領が行政権をしっかり持ちますが、例えば首相のような議会解散権はありません。議会が持つ立法に対しての拒否権はありますが、明白にそれぞれの権利が分かれているため、時として国家運営が紛糾するのはそれが背景です。ではなぜ、戦争になると大統領の支持率が高まるのか、といえば対外的行為には立法を要する議会マターより行政的判断、外交的判断が主流になるため、強気の発言をし、世論を味方につければ大統領の支持率は高くなりやすいのです。
さて、私がこの話題を振った理由は今回のウクライナ問題を取り巻く国々の大統領と首相の関係を見たのです。ロシアもウクライナも大統領制です。つまり外交に関してはかなり過激な方向にブレることが可能なのです。これが日本でできないのは議員内閣制故の問題も当然あるわけです。(つづく)
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