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2007-09-03 00:00
郵政民営化の笑点
岩國哲人
衆議院議員
郵政民営化法案の最大の目的は官に流れているおカネを民間企業に流れるようにすることだということだったが、本当にそうだろうか。郵便局に行くとそのカネが官の組織に流れてしまうというが、それは郵便局で働いている人たちの責任ではなく、入口よりもカネの出口の責任ではないか。今の制度でも郵便貯金は民間の方に流れる道がすでにできているのに、なぜ民間に流れないで国債の方にばかり流れているのか。そちらの出口の改革をしないで郵便局のせいにするのは、全くの思い違いではないか。出口を入口ととりちがえるお笑い。
民営化は郵貯銀行の肥大化、そして民業圧迫につながる恐れがある。官から民へと言いながら民間銀行の経営を圧迫したり、それらの銀行からの税収が減るというのに、郵貯銀行からの税収見込みだけを説明するのもお笑いではないか。そしてまた、「中央から地方へ」、「地方を大切に」と言いながら、地方を大切にしてきた地方の銀行をつぶすのも、これまたお笑いではないか。
カネには二とおりのカネがある。少しはリスクがあっても高い利子がほしい強気のカネと、利子が少し低くても安全がほしいという慎重なカネ。そういう人たちのための国の保証がある「貯金」という安心な制度を廃止して、明日からどの銀行が安心か自分で判断させようというのは、親切に見えるが実は意地悪というものではないか。親切と意地悪では大違い。
日本に民営化を迫ったアメリカの「助言」も、親切かどうか。自分の国が郵便を民営化して成功した、利用者の不便も苦情もない、だから日本も民営化したらどうですか、というのならそれは親切というもの。しかし、自分の国は民営化法案を二度廃案にし、最終的に4年前の7月に、「民間企業に全国一律の郵便サービスは不可能で混乱が起きる。アメリカは民営化せず国営を堅持する」とはっきり結論を出し、公表しているのだ。これではアメリカによる「誤指導」を「御指導」ととり違えたお笑い。自分の国はやらない、やれないと決めたことを日本に勧めるのは、これもまた親切ではなく、意地悪というものだ。
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