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2022-03-02 00:00
(連載2)プーチン排除のシナリオを練ることこそ必要だ
中村 仁
元全国紙記者
そこまで踏み込み、プーチンを排除する。西側はもちろん、世界経済も返り血を浴びる。それを覚悟の上での決断になります。西側の危機感は日増しに高まっている。株式市場は波乱に直面するでしょう。「プーチンがウクライナ侵攻に踏み切ったのは、中国という後ろ盾があることを認識していたからだ。中露関係は想像以上に強力で、大変懸念している」(米軍事専門家のリチャード・ワイツ氏)との指摘があります。ウクライナに親ロシア政権を樹立し、プーチン政権がこのまま続き、中露関係が堅固になれば、中国による台湾掌握も現実味を帯びてくる。日本にも重大な影響が及びます。その場合、中国に対するSWIFTからの排除は不可能です。
ロシアに比べ、中国経済の比重は格段に大きく、そうした制裁は世界経済のマヒにつながるから、それはできない。今を逃すと、中露の連携は強化され、中国は力を得る。ウクライナ後の世界情勢の展開を考えると、プーチンに対する国際非難が最高潮に達している時を狙い、政権崩壊のシナリオを練り始める。その契機にすべきだと思います。軍事力で対決すると、世界戦争に発展するからそれはできない。非軍事的手段を総動員してプーチン退陣に追い込む。生半可な停戦合意、事態収拾で終えると、喜ぶのは中国でしょう。そんことをすれば、その後は中露連合のやりたい放題になるに違いない。新冷戦どころか、世界は完全な分断の時代に入る。
ロシアと緊密なカザフスタンのトカエフ大統領は、ウクライナへの軍派遣を求められたのに、拒否したそうです。ロシア国内でも、一般国民や軍部の中、退役軍人らがプーチン批判の動きがある。独裁者プーチンによる「私的な戦争」との見方も、反プーチンの背景にあるようです。
「プーチンの国家的アイデンティティは『新ユーラシア主義』で、ロシアを中心とした文明圏の再構築で、ロシアとウイライナは不可分な『兄弟国』。ウクライナを失えば、自らの政権基盤を失うと思い込んでいる」(亀山郁夫・ロシア文学者)。「政権基盤を失いたくない」という私的な動機がウクライナ侵略の裏にあるとの見方です。(おわり)
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