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2022-01-20 00:00
(連載2)カザフスタン危機とロシアの思惑
大井 幸子
国際金融アナリスト
トカエフ大統領の思惑通りか、ロシア軍、CSTOを後ろ盾に、旧勢力(ナザルバエフ元大統領、マシモフ元首相ら)を排除することに成功した現政権によって、カザフスタン情勢は安定に向かおうとしています。そして、ここで米国との利権関係も明らかになってきています。ハンター・バイデンがマシモフ元首相と「親しい友人関係」にあり、カザフスタンの腐敗した支配者たちと利益を分かち合う関係にあったのではないかという疑惑が広がっています。
ハンター・バイデンが、中国やウクライナと不適切なビジネスを行なってきたとする疑惑は、2020年11月の大統領選挙の前から大きく報道されるなど問題視されてきました。私もバイデン政権が誕生することによって米国の国際的な指導力がより毀損し、米国を頂点としていた既存の世界秩序が大きく動揺するのでは警告を出してきました。最悪の場合には、自由民主主義諸国の多くで深刻な混乱が起き、かつてないほどに共産主義に勢いをもたらすかもしれません。
マシモフ元首相は、一帯一路にも関与し中国や米国資本との間に大きな利権関係があったとされます。プーチン大統領は西からウクライナのパイプライン利権を狙うNATO、そして南から一帯一路でカザフスタンを突き上げる中国、そして米国から、ロシアの勢力圏と国益を守ろうとしています。そこでCSTOの結束力を高め、ロシア国内の統一を再度強固にしようとしています。その意味で今日19日のナザルバエフ前大統領の引退までの流れは、自然です。
米中露関係もそうした角度から見ると、ウクライナとカザフスタンの地政学的な重要性が見て取れます。プーチン大統領にとってはカザフスタンを押さえる重要性は非常に高く、妥協なくトカエフ政権に干渉するでしょう。2022年、世界はますます不安定化していきます。(おわり)
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