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2022-01-06 00:00
(連載1)近くて遠い朝鮮半島の今
岡本 裕明
海外事業経営者
「近くて最も遠い国」といえば北朝鮮なのですが、最近は韓国もとみに遠い国になってきたようです。理由は日本人の韓国への積み重なる不信感やコロナでの人的交流の激減はネガティブでした。韓国のニュースも芸能やエンタメ以外、極めて少なくなり、話題にならなくなったことは大きいと思います。ここにきて韓国の大統領選が3月9日と2か月後に迫っていること、北朝鮮が意味不明の弾道ミサイルを一発飛ばしたことを含め、朝鮮半島の様子を伺ってみましょう。
まず、韓国の大統領選です。相変わらずのドタバタ劇で小学生の学芸会のようなレベルなのはいつまでたってもかの国は変わらぬのだということを改めて示したのでしょう。今回の寸劇は野党の有力大統領候補、尹錫悦(ユン・ソクヨル)氏の大失速です。理由は2つ、1つは選挙選挙対策委員会が解散に追い込まれたこと、もう1つは尹候補の妻、金建希氏の経歴詐称問題で妻が12月末に謝罪会見をしたことです。与党としては「こんな妻がファーストレディーの候補か」とネガキャンペーンをはり、いつもの韓流ドラマのような状態になっています。
選挙対策委員会の解散の方は私の読み取る限り、いつもの内紛で権力闘争だったとみています。特に尹氏は個性が強いので選対のトップ、金鍾仁氏が実力で請われたことでガチのぶつかり合いとなったとみています。世論調査から見ると尹候補の大統領の芽は7割方、消えたのではないでしょうか。
現状を見る限り与党候補の尹錫悦(イ・ジェミョン)候補が順当に大統領になるように見えます。第三の候補である安哲秀(アン・チョルス)候補も毎度選挙に出ており、現在は支持率が2番になっているのですが、いつも攻め方が下手というか、意固地なところで損をしてきました。仮に尹候補が安哲秀氏に野党候補一本化を託したとしても安氏の「国民の党」そのものが野党の泡沫に近い政党だけに情勢は変わらないとみています。とすれば文政権をあれだけ叩き、ことあるごとに文句を言ってきた国民も結局、また与党「共に民主党」にすがることになるのかもしれません。その李在明氏は文氏と同様、日本とは相当距離感がある発言を繰り返しているので日韓関係の進展はほとんどない、とみてよいと思います。(つづく)
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