ホーム
新規
投稿
検索
検索
お問合わせ
本文を修正後、投稿パスワードを入力し、「確認画面を表示する」ボタンをクリックして下さい。
2021-12-25 00:00
(連載2)コロナ変異株により高まる社会不安と政権への不満
大井 幸子
国際金融アナリスト
同紙によれば、強盗や殺人はこれまでは麻薬組織やホームレスの多い一角に偏っていたが、このところはセレブ居住区を狙った集団での”follow-home” (尾行強盗)、“smash-and-grab” (ショーウィンドーを割って高級品を盗む)犯罪が多発しているとロサンジェルス警察がコメントしています。また、ニューヨーク市マンハッタンでも巨悪犯罪が目立つようになり、12月2日付ニューヨークポスト紙によると、バンク・オブ・アメリカは従業員に対し、「ドレスダウン(カジュアルな装い)」するようにと警告を発したそうです。スーツ姿の銀行員は犯罪者の標的になるためです。ニューヨーク市では11月1日から28日までの間に凶悪犯罪が15%増、前年比では42%も増加したそうです。周辺のブルックリンやブロンクスでも犯罪が増えています。マンハッタンのオフィス街ミッドタウンに通勤するスーツ姿のインベストメントバンカーや経営幹部に対しては、テーザー銃(スタンガンの一種)を携帯するようにと会社側から通告があったそうです。
この状況を見て「まるで1970年代のようだ」と、古い時代を知る人たちは口にします。当時のニューヨークや大都市では、長引くベトナム戦争や不況で麻薬中毒や犯罪が増えました。私が最初にマンハッタンに来た1985年ですら、地下鉄には物乞いが多く、グランドセントラル駅近くで日本人の商社マンがホールドアップにあったとか、セントラルパークでレイプが多発するなど、かなり危なかったです。そんな悪い時代に戻るのでしょうか?
ニューヨークやサンフランシスコといった民主党の強い大都市では、公務員にワクチン接種を義務付けています。警官や消防士等で、公権力によるワクチン強制を憲法上の人権侵害として拒否する立場の人たちは解雇され、職場を離れています。そのため、警官が不足して犯罪の取り締まりが十分にできない、放火があっても消防士が足りないといった深刻な問題が出ています。
このように、経済活動再開に向けて安全な市民生活が担保されなければ、社会不安は高まり、景気回復が遅れます。先に示した循環パターンが続けば続くほど、市民生活は逼迫し、現政権への不満が高まります。2022年は政治変化を求める動きも活発化するとみられます。(おわり)
投稿パスワード
本人確認のため投稿時のパスワードを入力して下さい。
パスワードをお忘れの方は
こちら
からお問い合わせください
確認画面を表示する
記事一覧へ戻る
グローバル・フォーラム