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2021-12-22 00:00
(連載2)五輪の外交ボイコットという言葉のゲームを恐れるな
中村 仁
元全国紙記者
どうにも煮え切らないのは、岸田首相の五輪外交の姿勢です。そして、それを論じる新聞などの主張の曖昧さです。五輪外交といっても、「言葉の空中戦」なのですから、「閣僚の派遣中止」と明確に姿勢を示すべきです。岸田首相は「総合的に勘案し、国益の観点から自ら判断する」と、表明しています。21日現在、日本は閣僚レベルの派遣は行わない方向で調整しているようですが、どういう態度で臨むかは正式には表明していません。中国経済との相互依存関係という「国益」を重視しているのでしょう。
「自ら判断」と言いながら、他国の動き、中国の顔色、国内の反中派の動向などを探っているのでしょう。「自ら判断」ではなく、「受動的に判断」ということなのでしょう。優柔不断です。新聞メディアの態度も、社説をみると、なぜもっとはっきり主張をしないのかと不満です。表現がまどろっこしい。
朝日新聞は「主役はアスリートである。国家は脇役にすぎない。政府関係者の是非は各国がそれぞれの判断で決めればよい」との主張です。「各国それぞれの判断」は当然のことです。日本はどう判断すればいいのかが問われているのです。そこは逃げています。毎日新聞は「平和と協調という五輪精神を追求しなければならない」と。「だからどうなのだ」と聞きたい。毎日は「外交ボイコット」に反対のニュアンスです。それなら「米国に追随するか」といえばいいのに、言わない。読売は「強い批判が現れているということだ。中国は真摯に受け止め、不不信の払拭に努めるべきだ」と。中国にボールを投げているのではなく、日本の態度表明が注目されている。そこには触れない。
閣僚である五輪担当相の存在感はゼロに近い。「派遣中止」をしても何ら問題は生じないでしょう。(おわり)
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