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2007-08-14 00:00
日本アセアン関係の強化ーー「日・ASEAN対話」参加所感
田島高志
東洋英和女学院大学大学院客員教授
7月19日、グローバル・フォーラム主催の「日・ASEAN対話」が、また8月6日、日本アセアンセンターと日本経済新聞社共催のシンポジウム「日本アセアン経済関係」が、いずれも東京で開催された。いずれも日本及びアセアン双方のパネリストによる熱心な議論であったが、その印象を2点報告したい。
第1点は、「日・ASEAN対話」においてなされた「日本の国連安保理常任理事国立候補に際してアセアン諸国が日本を十分支持しなかったのは、日本の外交姿勢が米国追随なのかアジアを代表するもなのか不鮮明であったからである」とのアセアン側の発言についてである。私は、質疑応答において「そのような発言をアセアン側から直接聞くのは初めてであるが、そのような見方はもっと率直に当時から日本側に伝えるべきであり、それができないのは日アセアン関係が緊密であるとだれもが強調しているにも拘らず、実際は案外底が浅いことを示すものではないか」との感想を述べた。それは、以前やはりグローバル・フォーラムの会合でアセアンの人から「日本不支持の背景には中国からの説得があった」と聞いていたからである。当時中国は日本反対のキャンペーンを世界中で行なっており、アセアン諸国に対しては「日本にアジア代表の資格はない」との言い方で説得に努めたものと推測されるのである。
印象の第2点は、シンポジウム「日本アセアン経済関係」において、30年前の「福田ドクトリン」が現在でも有効であるとして、その意義と重要性が双方のパネリストから繰り返し強調され賞賛されたが、それに加えてアセアン側から、今後の日・アセアン関係の一層の強化のためには、グローバル化と中・印の台頭という現在の情況に応じた新ドクトリンが日本から示されることを期待する、との発言があり注目された。
「日・ASEAN対話」に参加した所感として、この政策掲示板「議論百出」への投稿でも、山澤逸平氏(7月24日掲載)や木下博生氏(8月7日掲載)から指摘のあったことだが、私も「アセアンの統合の進捗は確かに遅く、日本がその背中を押して支援が出来る分野は極めて多い。政府は官民合同の検討会ないし諮問委員会を立ち上げて、日本がアセアンの味方であり、アセアンの発展のため親身になって汗と知恵を出す国であり、国民であることを、今こそ示すべきである」と感ずる。東南アジア各国には華僑も多く、中国の発展を祖国の発展として誇りに思う人々は非常に多い。そのような環境の中で、中国とも友好協力関係を保ちつつ、東南アジア諸国にも日本の存在感を示し、信頼と協調関係を強化するには相当の努力が必要である。
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