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2021-10-06 00:00
(連載1)政治ジャーナリズムは世襲をもっと疑問視しよう
中村 仁
元全国紙記者
自民党総裁選で岸田文雄氏が当選し、10月4日の臨時国会で第100代目首相に指名されました。政界を支配する世襲政治の構造が今回も、はっきりみてとれました。政治、外交、経済、社会などの世界の枠組みが激動期に入っています。旧システムは新システムに置き換えられていく。政治ジャーナリズムは政界の内部情報ばかり取材せず、政治構造にもっとメスをいれてほしい。
「将来の首相候補」人気候補のランキングで、岸田氏は下位グループでした。石破、河野、小泉氏らに上位を占められ、「優柔不断で迫力に欠ける岸田氏では首相は務まらない」の評価でした。それが河野氏に圧勝しました。派閥の岸田派は48人で、細田派(92人)、麻生派(65人)、竹下派(54人)などの後塵を拝しています。「軽量級だからいつでも下ろせる」が岸田氏を担いだ安倍、麻生氏らの意図でしょうか。一年前、無派閥の菅氏が首相に選ばれた時もそうでした。「無派閥の菅氏なら下ろせる時はいつでも下ろせる」で主要派閥の思惑が一致しました。国民の期待度が下位のグループから二人続けて総裁=首相が選ばれる。本格派の首相の誕生を求めている時代に逆行しています。
今回の総裁選を主導したのは、安倍・麻生連合(2A)のようです。いずれも戦後の動乱期に首相を務めた祖父を持つ世襲政治家の典型です。党幹事長になる甘利氏も、父親が代議士でした。自民党政界を見渡せば、世襲による支配構造がより強固になってきています。小選挙区制の下で当選回数を重ねやすい世襲議員の比率が上がり、かれらが支配構造のピラミッドを昇っていく。
派閥の領袖は全部、世襲議員です。細田派(事実上の安倍派、祖父が岸信介首相)、麻生派(祖父が吉田茂首相)、竹下派(総裁選直前に死去した竹下亘氏は竹下登首相の弟)、岸田派(岸田氏は祖父、父親が代議士)といった具合です。党総務会長になる福田達夫氏(54)は、若手代表として将来が期待されていますが、祖父は福田赳夫首相、父親は福田康夫首相です。この「将来のリーダー候補」(朝日新聞)も典型的な世襲政治家です。(つづく)
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