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2021-09-27 00:00
(連載1)自民党総裁選、4氏に対する私見
岡本 裕明
海外事業経営者
4氏が出そろった自民党総裁選。実質、次期首相の選挙なので党員のみならず、国民や野党もその行方と各候補の主張を注意深く検証していることでしょう。論戦もしばしば開催され、メディアも各候補の分析を行い、多くの国民が一定の興味を示していることでしょう。(若い人はそうではないかもしれませんが。)正直、政策の切り口が昔に比べて何倍にも増え、候補者の一長一短が出て選びにくくなってきました。
ここまで見た私の感想です。この4者の戦いの構図、やや後退したもののまだ、1対3の対決に見えます。つまり、河野氏対残り3人です(誰が有利という話ではなく、論戦の主導権です。)この対立構造は今の自民党と野党の関係と似ています。マスコミを含め、河野氏の意見が広く議論されればされるほど河野氏が有利になる仕組みです。
なぜでしょうか?我々が野党の批判をするとき「反対しか言わないじゃないか?ではどうすればいいか意見を出せ」と言います。河野氏は自らのユニークな切り口の論調を展開し、残り3人がそれに振り回されたのです。逆に言えば残り3人の主張に目新しさがなかったとも言えます。これは申し訳ないですが、3人の候補者の評価にはマイナスです。河野氏は論戦巧者であり、本源的ゴールとそこに向かう実務的ステップを使い分けています。例えばエネルギー問題で原発は将来的にはなくす、だが、移行期間が必要なのだから今すぐに全廃させるというような極論は打ち出さない、としています。その上で例えば全く新しいタイプの処理のサイクルが完了できる小型原発が開発されたら「それは議論の次元が変わったのだから当然、検討に値する」と柔軟性を持たせるはずです。
年金問題に手を付けた際は他の三人がほぼ無防備でしたので上手いと思いました。彼はもともとSNSを使い、若い世代に「ファン層」を抱えます。その若手から「応援」を取り付けるに際し「俺たち、いくら年金払っても鼬ごっこだよな」と思い、その為に払わない人へのボイスだったとすれば切り口が明白でわかりやすいです。年金制度は自立している人のための仕組みであり、無年金の方々の対策が不十分だし、年金を払ってきた人と払わなかった人との「不平等感」にも踏み込めそうで評価できます。(つづく)
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