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2021-09-03 00:00
欧州とロシアについて
真田 幸光
大学教員
欧州とロシアの関係は複雑です。そして、歴史を見ると、一般的、相対的には、「大陸欧州、英国は、ロシアの西進に警戒感を持っている」と言えるのではないかと思います。さて、こうした中、大陸欧州を代表する国家であるドイツのメルケル首相は、ベルリンにフランスのマクロン大統領を迎えた中、「EUは、ロシアならびにトルコと対話して行くべきである。」とコメントしました。更に、メルケル首相は、「ロシアは、EUにとって大きな挑戦対象であることは確かではあるが、また同時にロシアは、ヨーロッパにとって偉大な隣人である。」ともコメント、「EUの安全保障、安定の為、今後ともロシアとの対話を維持すべきである。」と訴えました。
時あたかも、米露首脳会談直後の時期であり、メルケル首相はその点にも触れ、「アメリカのバイデン大統領は、ロシアのプーチン大統領と、大変にオープンな対話をされ、大変結構なことである。そして、我々ヨーロッパもそうすべきである。もちろん、欧州としては、ロシアのサイバー攻撃、ウクライナ侵略については引き続き注意し、対応していくべきではあるが、しっかりと現状を見つめ直そう。」と力説しました。
これに対して、マクロン大統領も、「ヨーロッパとして共通の対ロシア戦略を見つけ出して行くべきである。ロシアは、ヨーロッパにとり、ライバルであるばかりではなく、同時に同盟国でもある。」と踏み込んだ回答をしました。尚、こうした中、独仏両首脳はまた、EUとトルコとの今後の関係についても、「EUは、トルコと今後、移民受け入れ問題やリビア問題について、集中的に対話して行くべきである。」ということでも、意見の一致を見ています。
さすが、大陸欧州ですね、欧米で対中包囲網を強めることを前提に、「攻撃対象を中国本土一国に絞る為、ロシアを取り込み、中露連携の可能性を低くする。そして、そのロシアに今度はつけ込まれぬよう、ロシアを牽制しうるトルコとの関係も固めておく。」と言ったしたたかな動きを示したものと思います。そして、大陸欧州の中では、相対的にはロシアに近い旧東ドイツ出身のメルケル首相がちゃっかり独露の関係緊密化の可能性も見出そうとしているとも映ります。世界は大きく動いています。日本の外交も置いていかれないように頑張らなくてはなりませんね。
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