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2021-07-15 00:00
(連載1)4度目の緊急事態宣言は必要だったのか
中村 仁
元全国紙記者
東京都に4度目の緊急事態宣言が発令される中で、東京五輪がまもなく開催される予定です。まるで東京大空襲の空襲警報が鳴っている最中に、大運動会を強行開催する光景です。蔓延防止等重点措置をとっていれば、新型コロナ感染が東京五輪を直撃することは防げるという菅政権の思惑が外れました。東京の緊急事態宣言下ということは、新型コロナの東京大空襲を連想します。新型コロナは抑えたと思ったらぶり返し、人類の予想が何度も裏切られています。不確かでしかあり得ない予想のもとに、五輪開催の時期を設定したことは危機管理上の大きな失策になります。予想不能のコロナが敵ですから、早期に五輪の開催を断念しておくべきでした。そうすれば、これほど慌てふためくことはなかった。
政府の対応でよく分からないのは、新型コロナ感染による死者は8日、全国で17人と減少しているのに、そのことに全く触れていないことです。東京は新規感染者は896人と急増しているのに死者は2人でした。感染のピークを越えた米国の死者はそれでも313人、英国33人、フランス28人、ドイツ30人です。国際比較するには、人口10万人あたりのデータに換算する必要があります。その必要がないくらい日本の死者は少ない。菅首相は昨夜の記者会見でもそうしたことを全く説明しない。ひたすら感染者数の増大ばかりに目を奪われ、コロナ対策は迷走してきました。
都議選で自公が過半数を取れませんでした。秋の衆院選への影響を憂慮して、4度目の宣言を出し、「これほどまで政府は頑張っている」という姿勢を印象づけたかったのでしょう。コロナ対策はウイルス対策の枠を遙かに超えて、多くの要素を抱え込んでいます。東京五輪対策、総選挙対策、菅政権の維持策、世論対策、雇用対策などに及ぶ複合汚染対策なのです。
蔓延防止等重点措置の継続にとどめ、五輪開催に向かうならまだ分かる。コロナ感染の国際比較が明瞭にできる死者数(日本は少ない)にも注目せず、東京を4度目の非常事態宣言下に置く必要があったのでしょうか。(つづく)
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