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2021-06-30 00:00
(連載2)東京五輪があぶりだす政治力、行政力の劣化
中村 仁
元全国紙記者
ワクチン接種については、菅首相が「一日100万人目標」を強引に掲げるものだから、全体の調整がないまま、現場は急げ急げで突っ走った。モデルナ・ワクチンが不足する見通しになり、河野担当相が職域接種(企業、大学)は一時中止を宣言しました。朝令暮改とはこのことです。 「入国する選手は1万5千人で、延期決定前と変わらない」と、組織委員会は明らかにしています。本当なのでしょうか。事務局の願望でしょう。さらに確定した参加国数(当初150か国)の発表は未だにありません。本当に五輪(五大陸)といえるのか、四輪(四大陸)に終わるのではないのか。こんな重要な数字なのに示さない。
書店で買うテレビ情報誌は、7月23日以降の番組表が空欄になっているとか。決まっていない競技日、競技時間が多いのでしょう。有力選手がでそろわない五輪競技をテレビ観戦しても、どうなんでしょうか。コロナとの戦いをしながら、慌てふためき、迷走しながら開催の準備を進めるからこうなる。そこまでして五輪をやる価値はあるか。結局、五輪を途中で中止に追い込むものがあるとすれば、コロナウイルスしかない。
G7サミットが開かれた英コーンウォール地方では、各国メディア、要員、警備の警官などが殺到し、コロナ感染が急拡大しているとの報道です。同じようなこと東京で起きないとはいえない。巨額の放映権料、スポンサー収入を得るIOCが「感染対策費の全額を補償します」くらいの態度表明があっていい。
最後に、報道機関は五輪のスポンサー企業になるべきではありません。こうした混乱を日本の新聞、テレビは客観的、中立的に報道していません。朝日、読売、毎日のような全国紙はスポンサー企業(広告収入が見返り)契約を結び、系列のテレビ局は巨額のCM収入が入るからです。全国紙が23日、「日本の五輪の競技別メダル獲得数」の大特集を組んでいました。不完全な形でしか開催できない東京五輪の大特集を各紙が続々と組む。報道する価値をよく考えてほしい。(おわり)
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