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2021-05-28 00:00
米韓首脳会談での韓国の狙い
真田 幸光
大学教員
一時期は、その開催すら危ういとまで言われた米韓首脳会談が開催された。総括すれば、「心の中でどう考えているかは分からが、文大統領は、米国の圧力に屈した。韓国企業も米国経済圏に引き続きコミットしていく姿勢を示した。」と言えよう。
さて、訪米した文在寅大統領は、ホワイトハウスでバイデン大統領と初の対面会談を行った。約1時間半の単独会談、少人数会談に続く拡大会談し、その冒頭で文大統領は、「バイデン大統領と米韓同盟の強化と朝鮮半島平和への共通の意思を確認した。朝鮮半島の完全な非核化と平和定着に向け米国と共に緊密に協力していく。」と切り出した。また、「新型コロナウイルス問題についても、米韓両国が防疫協力を続け、半導体やバッテリー分野で両国企業の協力も行われている。東アジア経済ハブに向けた協力拡大など両国のみならず世界の経済拡大の突破口になる。」と強調している。更に、新型コロナウイルス感染拡大以降、初の海外訪問先として米国を訪問したことにも敢えて触れつつ、「バイデン大統領とソウルで再会することを期待している。」と呼びかけ、今回の、どちらかと言えば、後で、「文大統領自らの外交得点」に持っていこうとするしたたかさも示している。
また、今回の文大統領の訪米に同行した、場合によっては同行させられた三星電子などの韓国の主要企業は、米国・商務省が開催した米韓両国政府関係者、企業経営者らが参加する会議で、「計44兆ウォン規模を米国に投資する。」と発表した。この会議には、文在寅大統領も出席している。そして、例えば三星電子は、半導体受託生産(ファウンドリー)新工場の建設に170億米ドルを投資すると表明、バッテリー分野のLGエナジーソリューションとSKイノベーションは、車載電池を生産する合弁会社などを設立するなど約140億米ドル規模を投資するとし、現代自動車は電気自動車(EV)生産や充電インフラ拡充に74億米ドルを投じるとし、SKハイニックスは10億米ドルを投資し、研究開発(R&D)センターを設立すると表明している。一方、韓国の主要企業はこの会議で、半導体を含む情報通信技術(ICT)産業やバッテリー、電気自動車などの分野で、「北米市場が重要である。」ということを強調し、米国との協力で市場を拡大するとともに、新技術を確保すると意向を表明しており、その経営の本心は別にして、「米国経済へのコミットを改めて、公の場で表明した形である。」と見ておくべきであろう。
さて、ここからは、こうした米韓関係の動向に、単に安堵することなく、韓国・文政権と韓国主要企業各社が、「言動一致」とするか否かをきちんとフォローしていく必要がある。 更に、こうした表面的には米韓関係に改善傾向が見られていても、「基本的には日韓関係に対する韓国の姿勢は不変である。」と見ておく必要があると筆者は考えている。そして、実際に、今回の訪米で、文大統領は、女性副大統領であるハリス副大統領や女性下院議長らと意識的に面談をし、「移民者」や「女性」などマイノリティと関連した幅広い議論を行いつつ、「米国の“多様性”」を讃えると共に、「人権問題、女性問題」に関して議論する中で、「日本の慰安婦問題」についても持ち出して、厳しく言及、日本を貶めようとする、「告げ口外交」を展開している点を、日本としては、見落としてはならない。
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