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2021-04-28 00:00
(連載2)与党全敗で貧乏くじを引き続ける菅首相
中村 仁
元全国紙記者
菅首相にも責任があります。コロナ対策を田村厚労相、西村経済再生相、さらにワクチン担当相に河野氏を任命するなど、船頭ばかり増やし、指揮系統が混乱する原因を作っています。東京五輪との関係では、安倍氏が自分の総裁任期中(21年10月まで)の開催にこだわったのでしょうか、1年延期(21年7月開催)を譲りませんでした。2延期にしておけば、こうまで混乱はしなかった。
ころころ変わる菅政権のコロナ対策が「五輪開催のため」とされる原因は安倍氏に端を発します。菅氏も「人類がコロナに勝った証」とか「世界の団結の象徴」など、思い付きのフレーズを掲げるものだから、引っ込みがつかない状態に自ら追い込む愚を犯しています。首相となったからには、巡りあわせがどうであれ、結果責任から免れられない。解散総選挙は秋を選ぶしかない。どう立て直すか。
「次の首相には誰がふさわしいか」という世論調査(読売、3月)では、「1位河野太郎、2位石破茂、3位小泉進次郎」ときて、「6位菅義偉」でわずか3%の支持、これが首相に対する評価です。「何を実現したいのか、もっと体系的に大きなレベルで打ち出す必要がある。政権としてもっと大きな絵を描くところまで至っていない」(政治学者の御厨貴氏)と、周囲は手厳しい評価です。「自分の言葉で話す訓練が決定的に足りていない」(同氏)とまで酷評される菅氏が首相にまで上り詰めた。
二階氏がまず担ぎ、麻生氏、細田氏らが雪崩を打ったように支持に回った。「無派閥で軽量だから、自分の都合のいいように動かせる。いつでも下ろせる」と踏んだ。安倍氏も自分の官房長官だったから、都合の悪い案件は表沙汰にしないだろうと、考えたのでしょう。菅氏は「貧乏くじを引いた。前政権からのお荷物を担がされている」と思っても、文句は言えない。力量が危ぶまれる菅氏を選んだ側に、本当の責任があります。日本の無責任政治の一端を垣間見る思いです。(おわり)
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