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2021-04-26 00:00
(連載1)対コロナ政策における同調圧力の限界
緒方 林太郎
元衆議院議員
最近のCOVID-19対応に「政治的思惑」が増えて来た事がとても気になっています。ある程度は仕方ないとは言え、科学的な視点が欠如した対応は何処かで行き詰ります。2点だけ挙げておきます、「まん延防止等措置と緊急事態」と「第4波」です。
「まん延防止等措置」については、よく「緊急事態と何が違うの?」と聞かれます。私は「まん延防止等措置」は「緊急事態ライト」と位置付けています。細かな所を捨象すると、「休業要請・命令がやれるかどうか」にほぼ帰結するでしょう。まん延防止等措置を導入した背景には、緊急事態という言葉は強いので避けたいけども、ある程度の強い措置は取れるようにしたいという意向を見て取る事が出来ます。緊急事態は都道府県毎に出される事が想定されている(法律上はそうなっていませんが)ので、財政支出への跳ね返りが強いという事も懸念もあったのだと思います。結果として「今、どれくらいの状態なのか」がどんどん分かりにくくなりました。
「第4波」についても同様です。第3波の際の緊急事態解除を比較的早目にやったため、現状を第4波と言ってしまうと、緊急事態解除の政治的責任を問われるという考慮があるため、なかなか第4波という表現を使いたがらなかったのでしょう。これは昨年5-6月に北九州市(と東京都)のみで感染が広がった時に同様の経験をしました。当時の官房長官が「第2波ではない」と言った事と、北九州市長が「第2波」と記者会見で言った事でその食い違いがかなり注目されました。恐らく市には官邸からお叱りめいたものが飛んできた事でしょう。ただ、後付けでデータを見てみると、どう見ても北九州市に起こった事は「第2波」であり、「第2波と呼びたくない官邸」の姿の方が違和感があります。政治的思惑で「第1波の継続なのか、第2波なのか」が弄ばれた印象があります。「政治的思惑」が絡む事をすべて排する事は難しいですが、科学に基づかない形で「緊急事態」、「第4波」といった言葉の使用を避ける事によって国民に誤解を与えるおそれがあるのであれば、それは危険な事だと思います。
そして、現状を見ていると、私は「同調圧力」の限界を感じます。私は当初から「現在の対策は同調圧力によって補完されて機能している」と指摘して来ました。改正前の新型インフルエンザ等対策特別措置法は、緊急事態時であってもほぼすべての措置が「要請」でした。要請に従っていただけない方には「名前の公表(つまりは見せしめ)」が用意されていました。つまり、ピア・プレッシャーを掛けるという事ですが、日本的に言うとこれは「同調圧力」であり、「村八分」です。このような手法は欧米ではまず機能しません。なので、当初は日本が法制度上強い措置を取っていないのに、そこそこ感染者が抑え込めているのを欧米メディアは興味深く取り上げていました。政権幹部も日本的手法を礼賛する向きが強かったように記憶しています。(つづく)
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